創世紀―牛角と祝祭・その民族系譜―
著述者:歴史学講座「創世」 小嶋 秋彦
執筆時期:1999~2000年
牛角と祝祭・その民族系譜:139頁
第二章 高床式神殿の祭神・(一)豊饒神(7)
カルトがスバルに代わったことを証明する明白な根拠がある。
先に述べたように「創造者・創物主」を表す用語は、
サンスクリット語で kartr であった。
同義の用語がドイツ語にあって、
Schöpher がその用語で、シュメル語 śubal に対応する。
サンスクリット語の成立は紀元前一千年頃からであるのに対し、
ドイツ語の祖語を使うゲルマン人が現れるのは
紀元前二、三世紀頃と遅い。
ゲルマン神話の主神オーディン伝説を記す
「ヘイムスクリングラ王朝」の成立は紀元後のことである。
相互の時代的経緯を考え合わせると
カルトがスバルに代わっていることの証左である。
ドイツ語の schöphe には前記の他神、
それも「全能の神」を schöpher 、
さらに「すくう人、汲む人」を内容とする。
スバルがひしゃくの神であり、
北極星を含む角座あるいは北斗七星が
信仰の対象になっていたことを物語っている。
その動詞形schöphen の意味は「汲む」のほか、
植物を対象とする使用方法で「受精する」、
戯曲表現で女性が「妊娠する」の使用例があり、
高床式神殿の豊饒祈願と合致するところである。
シュメル語に kalu と表記してスバルと発音させる慣用句がある。
「豊饒の門」の意味で、神殿への信仰を思わせる。
ARPACHIYAH1976
『参考』
Tell Arpachiyah (Iraq).
まんどぅーかネット
シュメル語・日本語
《Key Word》
ヘイムスクリングラ王朝
オーディン
0 件のコメント:
コメントを投稿