2013年8月2日金曜日

角の崇拝(7)


 創世紀―牛角と祝祭・その民族系譜―

 著述者:歴史学講座「創世」 小嶋 秋彦

 執筆時期:1999~2000年

 牛角と祝祭・その民族系譜:100頁

 第二章 角の崇拝(7)

  しかし、

 この地域の羊飼いたちは流動性を持った生活者であった。

 トルコのヴァン湖周辺の黒曜石や現在の地名でも

 「銅の町」意味するダイヤルバギル市の北にある

 エルガニ・マデンから粗銅を

 また、イラクのアルビルよりさらに南へ離れた

 キルクークからアスファルト用の瀝青を手に入れている。

 彼等は文化を伝播させる行動力を

 十分備えていたと判断してもよいだろう。

 シュメル語で売買する意味の用語は šam である。

 発音が šum に近似している。

 貨幣にによる交換はなく、

 物々交換による交易であったに違いない時代、

 羊飼い達は羊を追いながら遠出を行い、

 物々交換が成立すると羊を屠殺して

 手渡しを行ったのかもしれない。

 屠殺者は売買人なのである。

 羊飼い達は、

 彼等の流動性を生かして

 次第に商人としての性格を

 確保していったと十分考えられる。

 『参考』

 まんどぅーかネット

 《Key Word》

 ヴァン湖

 黒曜石

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