創世紀―牛角と祝祭・その民族系譜―
著述者:歴史学講座「創世」 小嶋 秋彦
執筆時期:1999~2000年
牛角と祝祭・その民族系譜:140頁
第二章 高床式神殿の祭神(二)水神(1)
アルパチヤの碗形土器には
二人の人間の身長よりも大きい壺が描かれている。
壺はアッカドのマルドゥク王の場合のように王の象徴でもあった。
ハラフ期・ウバイド期の神殿に残された壺の中からは
穀物、動物の骨、魚の骨などが発見されていて、
神殿への奉納のための容器として使われたことを示している。
しかし、牛頭・マルタ十字紋と並列された壺には
単なる貯蔵用容器を表すだけでない
神への期待が込められている。
「水の恵み」を祈願しているものとみられるのである。
シュメル語の畑を表す aša は「真ん中に水がある」字義で、
農耕のために水がいかに貴重視されていたかが解る。
「ア a 」が水、
「シャ sa 」が中央を表す。
高床式神殿の「高み」にある聖所は
suku ないし sug と称したことは紹介済みだが、
この用語の絵文字は「○の中に横∬」で、
容器の中に水があることを表している。
ARPACHIYAH1976
『参考』
Tell Arpachiyah (Iraq).
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シュメル語・日本語
《Key Word》
シュメル絵文字
アルパチヤの碗形土器
アッカドのマルドゥク王
ハラフ期
ウバイド期
牛頭・マルタ十字紋
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