創世紀―牛角と祝祭・その民族系譜―
著述者:歴史学講座「創世」 小嶋 秋彦
執筆時期:1999~2000年
牛角と祝祭・その民族系譜:122頁
第二章 地名「アルパチヤ」(2)
この文字は、楔形文字の表意文字に対し、表音文字の始源となり、
フェニキア語(ウガリト文字)、アラム語、
後のヘブライ語、アラビア語の基礎となったばかりでなく、
その波及はフェニキア文字を取り入れた
ギリシャ文字やラテン文字へと広がり、
現在使われているアルファベットの根源でもある。
アッシリア語 alpu はこの原カナアン語 alp を移入した呼称である。
因みに alp はフェニキア文字などで変化し、
現在の「A」になっており、
この文字体系を alphabet というのである。
アルパチャの地名はこの alpu に起源をもつ。
ハラフ期からカルト khald と称されていた「牛頭」は、
多分中期アッシリア時代からかアルプに変名したのである。
その後「土地」ないし「境界」を意味する tô^ をつけ、
地名として Arpachiya が成立し、現在に至っていると考えられる。
この地方に「牛頭信仰」の拠点としての神殿があったことを
示しているといえるだろう。
※旧約聖書創世記第一〇章二二に出てくるセムの子孫名
アルパクサデ・Alpaxadは
このアルパチャの地に係わる名称であることを付記しておきたい。
ARPACHIYAH1976
『参考』
Tell Arpachiyah (Iraq).
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《Key Word》
アラビア語
フェニキア文字
アッシリア語
原カナアン語
ハラフ期
旧約聖書創世記
Arpachiya
アルパクサデ
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