創世紀―牛角と祝祭・その民族系譜―
著述者:歴史学講座「創世」 小嶋 秋彦
執筆時期:1999~2000年
牛角と祝祭・その民族系譜:112頁
第二章 牛頭崇拝とハフリ(1)
シュメル語に「アブレ ab-re」という言葉がある。
直訳した意味は「踏みつける牛」である。
飯島紀の『シュメール人の言語・文化・生活』に紹介されている
ルーブル博物館所蔵のグデア像Bに刻まれた
楔形文字碑文の一説である。
グデアは王名で、
紀元前二千年百年頃ラガシュ市を治めていた。
ラガシュ市は、その当時のペルシャ湾の西北海岸沿いにあり、
シュメル人によって設立された都市とみられている。
「ab-re」の一節は神殿建設に関するグデア王の業績について
述べられている一段に記されたもので、「ab」は牛を表し、
せまい意味では雌牛となり、「e」は「踏みつける」の意味で、
文法的には「踏みつける牛」となる。
「牛を踏みつける」行為は、ここまで紹介した緒資料に登場した
牛を屠殺する者の重要な行動要素である。
よって、「ab-re」は「犠牲に供される牛」と解釈されるだろう。
ここで留意したいのは、
この表現が慣用句化される固有名詞となっていると思われることである。
ARPACHIYAH1976
『参考』
まんどぅーかネット
シュメル語・日本語
《Key Word》
飯島紀
シュメール人の言語・文化・生活
グデア像B
ラガシュ市
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