創世紀―牛角と祝祭・その民族系譜―
著述者:歴史学講座「創世」 小嶋 秋彦
執筆時期:1999~2000年
牛角と祝祭・その民族系譜:153頁
第二章 角と「メ」信仰(3)
si は角を意味するとともに「眼」としても使われた。
シュメル語の「眼」を表す楔形文字は※で me の同類である。
※は igi と読まれるが、この用語は興味深い。
目を意味する
ドイツ語は Auge 、
英語は eye であるが、
それぞれ「自己」を表す一人称主語となり、
Ich(ドイツ語)、I(英語)へと転換され、
「自己の、わたしの」を表す所有格は
my(英語)、mein(ドイツ語)、
目的格「自己を、わたしを」は
me(英語)、mich(ドイツ語)となり、
目は自己を表す用語と直接的な関係を持っている。
バローチ語では一人称単数の主語「わたし」は man で、
一人称複数「我々」は mā で
所有格が may となる。
また、グルジア語の一人称単数の「わたし」は me で
複数「我々」はスバルと関係するが tschven である。
シュメル語の me も指示動詞「ある」の意味で使われているが、
また me は「眼」であるとの解釈も成り立ってくる。
日本語での「眼」の訓読は「メ」であり、
また死語になっているが「マツ」と呼ばれた。
睫は「マツゲ」つまり「眼の毛」で眼は「マツ」である。
この me 及び mat は日本語だけに特異な用法ではない。
サンスクリット語に mat 、
ギリシャ語に mati とあるばかりでなく、
中本正智が『日本語の系譜』で
その調査を発表しているように
ヨーロッパ、アジアに広がっている。
ARPACHIYAH1976
『参考』
Tell Arpachiyah (Iraq).
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