2013年7月31日水曜日

角の崇拝(3)


 創世紀―牛角と祝祭・その民族系譜―

 著述者:歴史学講座「創世」 小嶋 秋彦

 執筆時期:1999~2000年

 牛角と祝祭・その民族系譜:96頁

 第二章 角の崇拝(3)

  シュメル語で羊飼いをシパ sipa と呼ぶ。

 この言葉は

 ヘブライ語で seber 、

 ドイツ語で Schäfer 、

 英語で sheperd となり、
 
 西アジアからヨーロッパにかけて広く使われている呼称である。

 羊は人間によって最初に家畜化された動物ともいう。

 紀元前九千年頃に羊は家畜化された。

 その痕跡を残すのが、先に触れたが、

 ニネヴェの南でチグリス川へ東方から合流する大ザブ川の上流、

 シャニダール川との合流点に近い

 ザウィ・チェミ Zawi Chemi 遺跡である。

 ここの集落跡の最深層から、

 つまり、

 この集落の頭初の遺物の堆積から大量の骨類が出土したが、

 その大部分は赤鹿のものであった。

 野生の羊の骨も混じっていたが家畜化した動物の骨はまだ無かった。

 しかし、

 その上層の遺物から家畜された羊の骨が発見されたのである。

 山羊はまだ野生であった。

 この集落ではまた作物の栽培のための用具が発見されている。

 しかし、突然に表われたという様子で、

 この集落の人々が耕作を思いついたかどうかは解らないし、

 農耕集落の形とはえない段階にある。

 にもかかわらず、マックス・マロワンは、

 羊の家畜化と野菜の栽培の発生は

 大きな経済的革命を予告するものだと評している。

 『参考』

 まんどぅーかネット

 《Key Word》

 シュメル語

 ニネヴェ

 ザブ川

 ザウィ・チェミ遺跡

 山羊

 マックス・マローワン

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