創世紀―牛角と祝祭・その民族系譜―
著述者:歴史学講座「創世」 小嶋 秋彦
執筆時期:1999~2000年
牛角と祝祭・その民族系譜:38頁
第一章 インドの踊子と天鈿女命 (5)
阿知女作法で伴奏として
和琴のみが奏されると紹介したが、
フラメンコの場合もギターのみが伴奏し、
歌と踊りから構成されている。
ダンサーは男女双方にいる。
katak も同様男女両方が舞うことが許されていた。
この舞踊は16世紀になって成立した
ムガール帝国の宮廷舞踊に取り入れられ、
形式化されたのである。
また katākali という伝統舞踊があり、
こちらは男性のみが舞い手になれた。
大きな冠をかむり、
スカート状の衣裳を着けて
日本の歌舞伎のような劇中で舞われた。
男性が女性の姿となって演舞した。
インドの伝統舞踊のうち最も古いと
考えているのが Bharata-nātga で、
バラータは
日本を「やまと」と呼ぶのと同じインドの古名、
ナークは舞踊を意味するが、
使われ始めたのは比較的新しく西暦4、5世紀らしい。
しかし、
この舞踊は巫女が寺院で神に奉納した舞踊に起源があるといわれ、
インダス文明にまで遡及すると解説されている。
「本生図と踊子像のある石柱」に造形された女神は
「豊穣吉祥」を祈願する舞姿であり、
天鈿女命の舞姿であると理解できる。
巫女たちは少女のうちに、
つまり月経が始まらないうちに寺院に献げられ
激しい特別の訓練を受けるという。
本生図と踊子像のある石柱
《Key Word》
和琴
ムガール帝国
歌舞伎
インダス文明
本生図と踊子像のある石柱
豊穣吉祥
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