2013年7月15日月曜日

インドの踊子と天鈿女命(5)


 創世紀―牛角と祝祭・その民族系譜―

 著述者:歴史学講座「創世」 小嶋 秋彦

 執筆時期:1999~2000年

 牛角と祝祭・その民族系譜:38頁

 第一章 インドの踊子と天鈿女命 (5)

 阿知女作法で伴奏として

 和琴のみが奏されると紹介したが、

 フラメンコの場合もギターのみが伴奏し、

 歌と踊りから構成されている。

 ダンサーは男女双方にいる。

  katak も同様男女両方が舞うことが許されていた。

 この舞踊は16世紀になって成立した

 ムガール帝国の宮廷舞踊に取り入れられ、

 形式化されたのである。

  また katākali という伝統舞踊があり、

 こちらは男性のみが舞い手になれた。

 大きな冠をかむり、

 スカート状の衣裳を着けて

 日本の歌舞伎のような劇中で舞われた。

 男性が女性の姿となって演舞した。

 インドの伝統舞踊のうち最も古いと

 考えているのが Bharata-nātga で、

 バラータは

 日本を「やまと」と呼ぶのと同じインドの古名、

 ナークは舞踊を意味するが、

 使われ始めたのは比較的新しく西暦4、5世紀らしい。

 しかし、

 この舞踊は巫女が寺院で神に奉納した舞踊に起源があるといわれ、

 インダス文明にまで遡及すると解説されている。

 「本生図と踊子像のある石柱」に造形された女神は

 「豊穣吉祥」を祈願する舞姿であり、

 天鈿女命の舞姿であると理解できる。

 巫女たちは少女のうちに、

 つまり月経が始まらないうちに寺院に献げられ

 激しい特別の訓練を受けるという。

本生図と踊子像のある石柱



 《Key Word》

 和琴

 ムガール帝国

 歌舞伎

 インダス文明

 本生図と踊子像のある石柱

 豊穣吉祥

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