2013年7月27日土曜日

エリドゥ(6)


 創世紀―牛角と祝祭・その民族系譜―

 著述者:歴史学講座「創世」 小嶋 秋彦

 執筆時期:1999~2000年

 牛角と祝祭・その民族系譜:83頁

 第二章 エリドゥ (6)

 「シュメル」の呼称はアッカド時代になって表れるが、

 本来土地の呼称で彼等自身はキ・エン・ギ Ki.en.gi と呼んだ。

 それは葦の土地(葦原)の意であった。

 シュメル人は

 第一の移住者たちの文化を拒否したわけではなく、

 その伝統を引き継いだ。

 そして革新・発明も行った。

 その例が文字の発明であり、神話の集大成であった。

 第一の先住民が移動してきた

 紀元前五千年紀のウバイド期から

 文書が書かれた粘土板ができるまで二千年の年月が経っている。

 文書の遺留物のうち、

 我々にみられるようになったのは

 ウルク市から発見された

 絵文字の粘土板がその嗃矢(最初)である。

 シュメル語での判読はされているものの、

 その当時これらの文書を使った人々が何と読んだかは

 今のところ専門家の努力にもかかわらず不明である。

 しかし、

 これらの絵文字は楔形文字の原型と考えられている。

 ウルク市は現在のワルカ市(ワルカ遺跡)

 シュメル時代はウヌ unu と呼ばれ、

 旧約聖書にはエレクと記述されている町である。

 エリドゥと同じく市名の基になっている意味は

 諸説考えられているが不確定である。

 私見では、絵文字が発見された土地であることを

 第一の理由として

 「言語」ないし「書き言葉」

 つまり文字を表しているのがウヌの原語である。

 『参考』

 まんどぅーかネット

 《Key Word》

 キ・エン・ギ

 楔形文字

 

0 件のコメント: