2013年7月28日日曜日

メソポタミアの開明期と彩文土器(3)


 創世紀―牛角と祝祭・その民族系譜―

 著述者:歴史学講座「創世」 小嶋 秋彦

 執筆時期:1999~2000年

 牛角と祝祭・その民族系譜:87頁

 第二章 メソポタミアの開明期と彩文土器 (3)

 この名称はニネヴェの南方チグリス川と大ザブ川の合流点の

 わずか西方に位置するハッスーナに因む。
 
 紀元前七千年期の終わり頃になると、

 このハッスーナ文化の中から新しい形式の土器が

 作られるようになる。

 焼成精度は向上し、

 チョコレート色の彩文が見事に描かれたのが象徴である。

 この文化の範囲は大きく広がり、

 西方はハブール川近くバグーズまで、

 東方はイランのザグロス山脈、

 そして南方はチグリス川下流のサマッラ市、

 さらにそこから東南の遺跡チョガ・マミまで至った。

 遺跡名サマッラがこの土器文化の呼称とされた。

 サマッラ期の大きな事件は、人々がかなりの距離の運河を掘り、

 それを維持する灌漑技術を習得したことである。

 サマッラ文化の南端に位置する

 チョガ・マミ遺跡で運河跡が見つかっている。

 この灌漑用水路発見されている運河の最古のものである。

 遺物の中には大麦などに天水農耕期とは違う

 新しい改良品種の作物もみられ、

 天然の品種より実の太りがよくなって

 収穫量の増加を来しただろうことの証拠とみられる。

 灌漑技術は天水農耕地帯に増収穫が、

 雨の少ない地帯でも農耕できる農地開墾が可能となった。

 『参考』

 まんどぅーかネット

 《Key Word》

 ニネヴェ

 紀元前七千年期

 ハッスーナ文化

 ハブール川

 ザグロス山脈

 サマッラ市

 チョガ・マミ遺跡

 サマッラ文化

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