2013年7月23日火曜日

ホーリー祭(5)


 創世紀―牛角と祝祭・その民族系譜―

 著述者:歴史学講座「創世」 小嶋 秋彦

 執筆時期:1999~2000年

 牛角と祝祭・その民族系譜:63頁

 第一章 ホーリー祭 (5)

 ホロンはしきりに嘆願する。

  家を開けて下さい。

  宮殿を(を開け)、私を休ませて下さい。

 この後、女神はさらに要求する。

  蛇を幾匹か持って来て下さい。

  私の花嫁料として、爬虫類を持って来て下さい。

  私の愛の報酬として、蛇の血を……。

 ホロンはこれについても承諾する。

 グレイこれらの詩句を

 「長期にわたって吹き荒れるシロッコに対する呪文とみなしている。」

 と見解を付している。

 この後どうなったか解らない。

 粘土板が欠落しているからである。

 しかし、

 続く詩句の中でこの女神が家ごと鍵を掛けられて焼き殺されたと推測する。

 カナアンのホロンは冥界の男神である。

 ホーリーは魔女である。

 全くの異なりをみせている。

 プロトタイプのホロン神話があり、

 カナアンでは冥界の神にホロンの名が与えられたが、

 インドに流入した神話では

 太陽女神の娘神がホーリーとされたのであろう。

 枯木やボロ布を集めて魔女ホーリーに見立てて燃やすというのは

 カナアン神話でいう太陽女神の娘神に擬装しているのである。

 大野晋著『日本語以前』によると

 スリランカのジャフナ付近では祭りの日

 円屋根がつき木材で建詰めされた牛小屋を焼いてしまうという。

 『参考』

 まんどぅーかネット

 《Key Word》

 プロトタイプ

 日本語以前

 スリランカのジャフナ

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