2013年9月28日土曜日

フルリ人とミタンニ国-6


 『Yahoo!天気・災害』

 創世紀―牛角と祝祭・その民族系譜―

 著述者:歴史学講座「創世」 小嶋 秋彦

 執筆時期:1999~2000年

 牛角と祝祭・その民族系譜:237頁

 第四章 フルリ人とミタンニ国-6

  本来アッシリアもスバル人の一部の民族の建設した商業国家であったが、

 新アッシリアは軍国主義国家の性格が強く、

 古アッシリアの重商主義的国家組成の条件が変わってしまった。

  新アッシリア治下の紀元前九世紀頃、

 スバル人たちはシンジャール山脈の北側ハブール高原から

 次第に北方アナトリアの山岳地帯へと

 その居住地域を移転し始めたと考えられる。

 ハブール平原のスバルトゥの地から一山脈を超えたチグリス川流域へ、

 そこは鉱物の豊富な谷合であるが、彼等の拠点が移され、

 シュブリア「スバル人の土地」と称するようになったものと思われる。

 また、

 大ザブ川のハブリウリから上流にもスバル人は根強く勢力を張っていたが、

 彼等も次第にウルミア湖ヴァン湖方面に移動を続けたとみられる。

 移動理由には、アッシリアの軍事的圧迫があったことは容易に推測できるが、

 すでに始まっていたことは鉄器時代の進展にともない、

 鉄鉱石の産地がシュブリア地方、またハブウリからウルミア湖に至る地方に

 分布していたことにもよると考えられる。

 彼等は青銅器文化の必要な担い手であったか

 鉄器文化への転換も始まったものと推測できる。

  スバル人と呼ばれ、フルリ人と呼ばれたカルト人の根幹勢力は

 祖地を離れて北方のコーカサスに向けて次第に移動を開始したのである。

  フルリ人の天候神テシュブ神は牡牛に乗る男神である。

 また、女神ヘポトは牝獅子に乗る神である。

 この関係は

 インドのシヴァ神の乗物(牡牛)とドゥルガーの乗物(虎)に対応する。

 獅子はライオンで虎ではない。

 カナン神話におけるバアル神の乗物が牡牛であるのに対する

 イシュタル女神の乗物がライオンであることにも対応する。

 フルリ人の故郷が北メソポタミアのハブール地方で、

 チグリス(虎)川が流れることを考えると本来虎であったとみられる。

 ARPACHIYAH 1976:高床式神殿


 牛頭を象った神社建築の棟飾部



 『参考』

 Tell Arpachiyah (Ir aq).

 まんどぅーかネット

 シュメル絵文字 

 シュメル語・日本語

 《Key Word》

 シンジャール山脈

 ハブール高原

 ハブール平原のスバルトゥ

 スバル人

 ウルミア湖ヴァン湖

 フルリ人

 カルト人

 テシュブ神

 ヘパト女神

 ハブール地方

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