『Yahoo!天気・災害』
創世紀―牛角と祝祭・その民族系譜―
著述者:歴史学講座「創世」 小嶋 秋彦
執筆時期:1999~2000年
牛角と祝祭・その民族系譜:239頁
第四章 ウラルトゥ-2
大ザブ川はハリル山脈を巻くように東南へ流れ、
その山脈が尽きると急に西南へ曲線を描いて流れ下る。
この東方に張り出した一帯ををハブリウリと呼び、
「ハブールのウリ」の意味で、シュメルの都市ウルに対応する。
ハブリウリの東部にウラルトゥ人自身がアルディーニと呼ぶ
アッシリア名ムサシルの町があった。
そこの神殿にはハルディ神が祀られており、
新しく王位に就く者はこの神殿で就任式を行った。
ハルディ神がウラルトゥの神々の最高神であることを
示唆している史実である。
同神は Khardi (カルト)神で、
牛頭を象徴している用語の踏襲と考えられる。
ムサシルの主神殿の他にも多くの神殿が建てられた。
ウラルトゥでの神殿の特徴は、塔を備えていることで、
少なくとも六ヶ所のそうした神殿が発見されている。
塔のある神殿といえば、どうしても
アルパチヤ遺跡出土の碗方土器を思い出さざるを得ない。
あの高床式神殿を描いた土器の時代から約五千年を経ているが、
主祭神がハルディ(カルト)神であることを含めて、
その相互の共通関係を否定することはできない。
アッシリアの楔形文字を利用して
ウラルトゥ語の文書がたくさん残されているなかで、
多くの宗教的建物がハルディ神に献げられたとうたっている。
ARPACHIYAH 1976:高床式神殿
牛頭を象った神社建築の棟飾部
Tell Arpachiyah (Ir aq).
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《Key Word》
ハルディ神
アルパチヤ遺跡出土の碗方土器
高床式神殿
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