『Yahoo!天気・災害』
創世紀―牛角と祝祭・その民族系譜―
著述者:歴史学講座「創世」 小嶋 秋彦
執筆時期:1999~2000年
牛角と祝祭・その民族系譜:284頁
第五章 旧約聖書「創世記」:洪水伝説と祝祭(7)
創世記に使われるヘブライ語の箱舟は tebach であるが、
これはシュメル語による理解によると
「行く葦屋」 teb-ach 、つまり動く葦屋ということになる。
teb はシュメル語の tsavi 、
ach は á(家)-gi(葦)の転訛と考えられる。
ギルガメシュ叙事詩において、
神々の支配者であるエンリル神は
大洪水を起して人間を滅ぼすことを決めるが、
エンキ神のアッカド名であるエア神が
それを人間に語ることを禁じられているにもかかわらず、
シュルパックのウトピナシュティムの葦屋の壁に向かって語る。
王子エアは秘密を守る誓いを立てたにもかかわらず、
彼等の言葉をわたしの葦屋に向かって繰り返した。
「葦屋よ、おお柵よ、壁よ、壁よ、
家を壊し、舟をつくれ、富を捨て、命を求めよ」
ウタナシュティムの屋敷は葦屋であったのである。
そして彼は家を壊して舟を作ることにする。
そのために集めたのが大工と葦工であった。
エア神にいわれたように
間口と奥行を等しく方舟を作ったのであるが、
これは葦舟で、 tehach の原型と考えられるのである。
旧約聖書においてはイトスギの木で箱舟が作られた。
箱を表す用語は、英語で ark ドイツ語で Arche であるが、
アッシリア時代ペルシャ湾の貿易商人たちは
アルク・ティルムンと呼ばれており、
箱が舟であるとの概念がみられる。
シュメル語の海は ma 、ヘブライ語の海は yarn であるが、
ノア Noah はこの ma を転訛させて作られた呼称と考える。
創世記はシュメル Shmer をシナル Snar という。
MとNとの転換が同様にみられる。
ギリシャ語では海は μόνο(mere) となるが、
日本では古来から船名に付けられる「丸」はこの語の流用である。
モーセの姉ミリアムやイエスの母聖母マリヤ(ヘブライ語で Miryam )も
海に因んだ名称である。
ARPACHIYAH 1976:高床式神殿
(アルパチア遺跡出土の碗形土器に描かれている)
牛頭を象った神社建築の棟飾部
『参考』
Tell Arpachiyah (Ir aq).
ハラフ期の土器につ い て
ハブール川
ハブール川(ハブル川、カブル川、Khabur、Habor、Habur、Chabur、アラム語:ܚܒܘܪ, クルド語:Çemê Xabûr, アラビア語:نهر الخابور Bahr al-Chabur
《Key Word》
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