2014年2月24日月曜日

青龍と西王母(2)


 『Yahoo!天気・災害』
 Matのジオログ

 創世紀―牛角と祝祭・その民族系譜―

 著述者:歴史学講座「創世」 小嶋 秋彦

 執筆時期:1999~2000年

 旧約聖書「創世記」:牛角と祝祭・その民族系譜:517頁

 第九章 中国の祝祭と皇帝

 青龍と西王母(2)

  「墉城集仙録」には、禹が龍関の山を穿つ物語があるが、

 この龍関の山を「またこれを龍門という」と注がつけられている。

 龍門山は四川省岷山の東盆地と陜西省境の間を走る山地名である。

 つまり、ここが青龍の地への関門に当たっていると

 考えられているのだとみられる。

 すると、明らかに蜀は青龍の地である。

 成都市の東には龍泉山地が南北に走っているが、

 成都と南方の青神市との間には青龍鎮があるほか、

 蛾眉山の東には青龍の地籍があり、

 四川省には龍のつく地名が非常に多い。

 龍鎮、龍橋、蟠龍、伏龍などである。

 地名の面からもこの盆地が龍族の地であることが解かる。

  龍といえば、漢、後漢時代にこの地方においては

 西王母信仰が篤く、

 西王母の造形画がたくさん描かれ残されているが、

 龍と虎に座す姿で表わされている。

 西王母は古代中国で最も幅広く行われた神母信仰である。

  西王母は本来メソポタミアの支配的女神である。


 「史記大宛列伝」の条枝の項に安息(ペルシャ)の古老たちが

 「条枝には弱水、西王母があると伝え聞いているが、

  まだ一度も見たことがない」と話したとの記録がある。

 条枝は当時の西アジアを治めていた

 セレウコス Seleuos 朝の名称に依るもので、シリアを指す。

 西王母とはカナン神話に登場するイシュタル女神のことである。

 同女神はシュメルにおいてイナンナ、

 アッシリアに入ってアシュタル、

 そしてカナンでイシュタル、

 旧約聖書ではアシュラと称された。

 ギリシャ神話にもアフロディテとなり美の女神である。

 イシュタルの本義は星を意味する。

 この女神は中央アジアへも入りミール神といわれ、

 パミール、カシミールの地方名になっている。

 同地方の山岳を中国名で崑崙(こんろん)山脈という。

 ミール mer の意味は malke/meylekh (女王)で瑪と同義である。

 このミルク神を王母として取り入れたのである。

 西王母が虎に乗る女神として描かれことが多い。

 それはイシュタル神の乗物である。

 中国における崑崙山は新彊の南側を

 パキスタン国境から青海省に至るまでの広い山岳地帯をいうが、

 カシミールとの間の山地を喀唎崑崙山といい、

 この狭い地域がミール(王母)の地である。

 西王母が積極的に中国へ入ってきたのは

 紀元前4世紀以降と考えられる。

 大宛列伝の記録もその一つであるが、

 中央アジアを通って来たものであろう。

 《Key Word》

 西王母
 西王母


 『Yahoo!天気・災害』
 Matのジオログ

 創世紀―牛角と祝祭・その民族系譜―

 著述者:歴史学講座「創世」 小嶋 秋彦

 執筆時期:1999~2000年

 旧約聖書「創世記」:牛角と祝祭・その民族系譜:517頁

 第九章 中国の祝祭と皇帝

 青龍と西王母(2)

  「墉城集仙録」には、禹が龍関の山を穿つ物語があるが、

 この龍関の山を「またこれを龍門という」と注がつけられている。

 龍門山は四川省岷山の東盆地と陜西省境の間を走る山地名である。

 つまり、ここが青龍の地への関門に当たっていると

 考えられているのだとみられる。

 すると、明らかに蜀は青龍の地である。

 成都市の東には龍泉山地が南北に走っているが、

 成都と南方の青神市との間には青龍鎮があるほか、

 蛾眉山の東には青龍の地籍があり、

 四川省には龍のつく地名が非常に多い。

 龍鎮、龍橋、蟠龍、伏龍などである。

 地名の面からもこの盆地が龍族の地であることが解かる。

  龍といえば、漢、後漢時代にこの地方においては

 西王母信仰が篤く、

 西王母の造形画がたくさん描かれ残されているが、

 龍と虎に座す姿で表わされている。

 西王母は古代中国で最も幅広く行われた神母信仰である。

  西王母は本来メソポタミアの支配的女神である。


 「史記大宛列伝」の条枝の項に安息(ペルシャ)の古老たちが

 「条枝には弱水、西王母があると伝え聞いているが、

  まだ一度も見たことがない」と話したとの記録がある。

 条枝は当時の西アジアを治めていた

 セレウコス Seleuos 朝の名称に依るもので、シリアを指す。

 西王母とはカナン神話に登場するイシュタル女神のことである。

 同女神はシュメルにおいてイナンナ、

 アッシリアに入ってアシュタル、

 そしてカナンでイシュタル、

 旧約聖書ではアシュラと称された。

 ギリシャ神話にもアフロディテとなり美の女神である。

 イシュタルの本義は星を意味する。

 この女神は中央アジアへも入りミール神といわれ、

 パミール、カシミールの地方名になっている。

 同地方の山岳を中国名で崑崙(こんろん)山脈という。

 ミール mer の意味は malke/meylekh (女王)で瑪と同義である。

 このミルク神を王母として取り入れたのである。

 西王母が虎に乗る女神として描かれことが多い。

 それはイシュタル神の乗物である。

 中国における崑崙山は新彊の南側を

 パキスタン国境から青海省に至るまでの広い山岳地帯をいうが、

 カシミールとの間の山地を喀唎崑崙山といい、

 この狭い地域がミール(王母)の地である。

 西王母が積極的に中国へ入ってきたのは

 紀元前4世紀以降と考えられる。

 大宛列伝の記録もその一つであるが、

 中央アジアを通って来たものであろう。

 《Key Word》

 西王母
 西王母

 ARPACHIYAH 1976
 高床式神殿、牛頭、空白の布幕、幕と婦人、マルタ十字紋等
 (アルパチア遺跡出土の碗形土器に描かれている) 

  
 牛頭を象った神社建築の棟飾部



 『参考』
 Tell Arpachiyah (Iraq) 
 Tell Arpachiyah (Iraq)     
 ハラフ期の土器について
 アルパチア遺跡出土の碗形土器

 ハブール川
 ハブール川(ハブル川、カブル川、Khabur、Habor
、Habur、Chabur、アラム語:ܚܒܘܪ, クルド語:Çemê Xabûr, アラビア語:نهر الخابور Bahr al-Chabur
 ARPACHIYAH 1976
 高床式神殿
 牛頭を象った神社建築の棟飾部
 神社のルーツ
 鳥居のルーツ
 『参考』
 Tell Arpachiyah (Iraq) 
 Tell Arpachiyah (Iraq)     
 ハラフ期の土器について
 アルパチア遺跡出土の碗形土器

 ハブール川
 ハブール川(ハブル川、カブル川、Khabur、Habor
、Habur、Chabur、アラム語:ܚܒܘܪ, クルド語:Çemê Xabûr, アラビア語:نهر الخابور Bahr al-Chabur
 ARPACHIYAH 1976
 高床式神殿
 牛頭を象った神社建築の棟飾部
 神社のルーツ
 鳥居のルーツ

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