2012年5月24日木曜日

玉-中国文明の象徴-



 『出典』言語復原史学会加治木義博大学院講義録28:29~32頁

 『玉-中国文明の象徴-
 「玉-中国文明の象徴-

 「玉(ぎょく)」は大きく「硬玉」「軟玉」に分かれる。

 硬玉とはいわゆる翡翠(ひすい)のことで、

 鉱物学的にいえばヒスイ輝石を指し、

 軟玉とはネフライト、角閃石や陽起石を指す。

 硬玉は粒状結晶が交差繊維状組織をなす

 輝石のグループ、ネフライトは繊維状組織をなす

 角閃石のクルーフに属し、

 同じ「玉」でも成分的にはまったく異なる鉱物である。

 硬玉、軟玉という呼び方はモース硬度によっている。

 モース硬度が6.5~7の翡翠を硬玉、

 5.5~6と低いネフライトを軟玉と

 呼びならわすようになったもので、

 軟玉といっても「軟らかい玉」の意味ではない。

 翡翠と比ベて相対的に硬くないというだけのことで、

 むしろ軟玉は、硬玉よりも繊維状の結晶が密に絡み合っているため、

 割れにくく、強靭である。

 地球上でもっとも硬い鉱物は硬度10のダイヤモンドだが、

 衝撃に対する強さ(欠けにくさ、割れにくさ)や

 粘り強さ(靭性)においては、

 実は軟玉が最も優れているとされる。

 中国古代において主に用いられた「玉」はこの軟玉である。

 軟玉には、叩くと非常によい音色がするというもう-つの特性もいわれ、

 そういったことが、軟玉が愛好された要因の一つかもしれない。

 中国では玉の使用はかなり古い。

 すでに新石器時代の早期に属する遺跡から玉を用いた

 耳飾りなとの装身臭が見つかっている。

 新石器時代後期には、

 長江流域で栄えた良渚文化で玉器が王権と結びつき、

 王権のシンボル、

 あるいは威信財として社会的役割を担うようになる。

 その後、商や周なとの初期王朝時代においても、

 青銅器とともに威信財として尊ばれた。

 戦国時代になると、

 玉は「生命の再生力」や「辟邪(へきじや)」といった

 特別な力を持つものとして、さまざまな場面で用いられた。

 着物にさまざまな形をした精緻な玉(煙玉(えんぎょく))をくくりつけたり、

 埋葬の際に死者の口に「玉蝉(ぎょくせん)」を含ませたり、

 手に「玉豚」を握らせるなとの風習が行なわれた。

 玉の持つ神秘的な力を信じてのものである。

 さらには、玉の持つ温かみや竪さといった特性が儒教とも結びつき、

 「徳」のある君子を「玉」に例えるなど、

 儒教的徳目の象徴としても位置づけられるようになる。

 漢代には、儒教の官学化にともない、玉への信奉はいっそう強くなり、

 死者の全身を玉片で綴った衣(玉衣)で覆って埋葬することなども行なわれた。

 「図:玉貝(ぎょくばい)

 (子安貝を摸した玉の飾り

  Jade cowrie-Shaped ornament

  商晩~西周時代 前14~8世紀

  2001年/成都市金沙遺跡出土

  玉製/長さ3.2cm、幅2.7cm、厚さ0.2~0.63cm、重さ8g

  成都市文物考古研究所載

 子安貝を模した玉器。

 裏面は平らにさかれ、上方には穴があけられており、

 ペンダントとして用いられたものと思われる。

 また、

 左右両側には展示品75の玉牙璧に見られるような

 ギザギザ状の突起がこの玉器にも飾られており、

 金沙遺跡に独特に見られる特徴がここにも表われている。

 中国では新石器時代以降、

 海から遠く離れた内陸部の遺跡からも数多くの子安貝が出土することが知られ、

 また二里頭遺跡や商代に属する墓のなかには

 大量の子安貝を副葬する例も少なからず存在し、

 当時このような海洋産の貝が何らかの重要な意味をもっていたと考えられる。

 同じ成都平原に位置する三星堆遺跡からは、

 一号坑から62枚、二号坑からは

 4600枚もの実物の子安貝が出土している。

 周囲を高い山々に囲まれた内陸世界である成都平原が、

 直接的であれ間接的であれ、

 海洋産の貝を産出する沿海地域と密接な繋がりを

 持っていたということは非常に興味深い。

 そしてまた、

 金沙遺跡でこのように子安貝が玉で精緻に模倣されたということは、

 三星堆のみならず金沙の人々にとっても

 子安貝が何らかの主要な意味のあるものとして

 捉えられていたということを示していよう。(K.D.)

 『参考』
 『言語復原史学会:Web』
 『言語復原史学会:画像』 
 『言語復原史学会:画像』

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