『出典』言語復原史学会・加治木義博:大学院講義録14:22頁
しかし五瀬の命のモデルは倭王・興一人ではない。
それは拙著
『卑弥呼を攻めた神武天皇』に詳しく書いておいたが、
遠征して兄が戦死した事件は、
神武東征記事の芯になった位宮の、
卑弥呼政権打倒の戦いもそれで、
それを裏返しに見た
崇神天皇紀の武埴安彦の乱の戦死者は、
大隅語で
「武埴・タケチ=高津=高族、安・アン=兄、彦・ピコ」が
正確な読み方だから、
『魏書倭人章』が記録した
「狗右制卑拘・コウジャイピコウ=高津・兄・彦への当て字」で、
拘奴国王その人であり、
位宮の兄である。
間違いなく
神武天皇の兄・五瀬の命=イザナギの位置にいる。
だから狗奴王は女王には属さなくても
血統は同じだったことも同時に証明しているから、
神武東征は五瀬の命に至るまで
複数のモデルが複合していることがわかる。
それを不明にしたのは、
イザナギが世襲で実は複数のイザナギが居るのを一人と誤解して、
個人名のように扱った
『記・紀』編集者に罪があるが、
天皇たちの名乗りを、
個人名として教えてきた学者たちの罪はさらに重い。
そのために日本人は永いあいだ、
世界の人々の眼に低級で恐ろしい
非文明人としか映らなかったからである。
日本人はもちろん世界の人たちが、
一日も早く、
この私たちの発見した真実の歴史を、
ごく日常の常識にしてほしいと願うのは、
皆さんもご一緒だと思う。
会員の皆さんのご尽力がどんなに尊いか!
ご実行を祈るのみだ。
『参考』
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小林登志子『シュメル-人類最古の文明』:中公新書
『メソポタミア世界』
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