『出典』言語復原史学会・加治木義博:大学院講義録15:12頁
従来は、ギリシャ神話の高度に知性的な内容に比べて、
日本神話は、
「なんと貧弱な子供だましの神話か」と、
海外で蔑視されてきた。
しかしこの例の他にも多数の実例が見つかり、
『記・紀』の内容は当時のギリシャと同じ文化と知性をもち、
それを現実の歴史に当てはめて、
人の守るべき道を教え、
高度の政治経済の原則を、
為政者たち読む者に伝えようとした実に優れた教科書であり、
優れた文学作品だったことがわかったのである。
『記・紀』は
「こういう事件は、こう裁くのだ」という判例集でもあり、
『聖徳太子憲法』以前に実在した
我が国の『憲法』を教える、
「具体的法令集」でもあったのである。
だから、雲の上というより庶民的といった方がいい恋愛や、
お家騒動や愚行、暴行が網羅されていて、
天皇家にとっては、決して愉快な文化財ではない。
しかしそれを
「帝王学」や「政治学」の教科書として観ると、
実に赤裸々に人間像を描き出していて、
正邪善悪の実態と国民の眼を強く意識させるようにしてある。
『記・紀』は対外宣伝用には不向きなほど、
恥部をさらけ出していて、
真実こそが生命である歴史記録としても、
理想的なものというほかない。
だからそれは実に高い知性の産物である。
この高さが、皇室を現代まで永続させた第一の要因だったのだ。
『記・紀』は
本当の意味で私たちの「至宝」、
人道の『聖書』なのである。
『参考』
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