2010年10月31日日曜日

神武記が再確認させた言語復原史学の真価

『出典』言語復原史学会・加治木義博:大学院講義録12:12頁

こうみてくると、

私たちの言語復原史学が、いかに史学の基盤にしっかり根をおろした、

正しく不動の史実復元システムだったかが、改めて強く再確認できる。

この神武記の例は地名が史実を写した記録だという主張だけだが、

その地名・国名を配列した天皇や豪族の「名乗り」は、

その史実を写した記録の複合物なのだから、

その「名乗り」中の地名や職名と、その増減や変化が、

そのまま歴史記録として読み取れるのである。

だからこそ地名が分布を広げ、それが大きさを変えていく過程が、

その勢力の消長を記録している。

それと『記・紀』その他の史料を比較対照して、分析し総合すれば、

その消長の原因結果がわかる。

それを『記・紀』ほかの文献が書く内容の信頼度を測定する物差しにし、

骨格として、前ページのような文献批判を繰り返しながら、

その原因を探ってその経過と答を知れば、

それらの名詞が体験した真実の歴史を、

高い精度で復元できるのである。

また様々な名詞は、言語としての国籍をもっている。

私たちは在来の

史学、

言語学、

民俗学、

民族学、

考古学、

神話学などの学者が、

日本語だと信じて疑わなかった名詞や言語が、

ギリシャ語、

パーリ語、

マレー語、

中国語、

アイヌ語などだったことも突き止めた。

だからそれが意味する内容はさらに史実を精密に復元して、

謎を知識に変えてくれるのである。

『参考』

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小林登志子『シュメル-人類最古の文明』:中公新書
『メソポタミア世界』
シュメル-人類最古の文明
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