『出典』言語復原史学会・加治木義博:大学院講義録11:18頁
この<ヨナ>という発音はさらに別の問題にも、
正確な答を与えてくれる。
「夜々」と書いて「ヨナヨナ」と読み、
夜の仕事を「ヨナベ」という。
この「夜=ヨナ」の発音を意識すると、
これまで「夜の食(お)す国」などと読むのだと教えられてきたものの、
なんのことだか分らない3貴子分治に出てくる
「夜食国」の意味が正しく解ける。
南九州では夕飯の後で夜なべ仕事などをして、
もう一度食べる夜食を「ヨナグイ」という。
そして、その南九州語では与那国も「ヨナグイ」と発音する。
夜食国は南九州人が記録した与那国を指す、
実に適切な当て字だったのである。
沖縄語は<東>を<アガリ>、
<西>を<イリ>という。
明らかに太陽が上がる方向が東、入る方向が西と、
太陽を基準にした言葉である。
最も西の大島(だいとう)を西表島(イリオモテ)と呼び、
その西に最西端の与那国島がある。
これは確かに太陽が沈んだ後の「夜の国」だから「夜ナ国」でもある。
<ヨナヨナ>、<ヨナベ>、<ヨナグイ>の
「夜=ヨナ」という日本語は間違いなくここで生まれている。
3貴子の話では夜食国は月読の命が治める冥界である。
亡き母・伊耶那美は冥界に居るから、
スサノオは母とともに居たいと、
不満で泣きわめいて割り当てられた海洋を治めない。
西に冥界があるというのは仏教だけの思想である。
「西方浄土」という熟語がそれを証明している。
『参考』
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小林登志子『シュメル-人類最古の文明』:中公新書
『メソポタミア世界』
シュメル-人類最古の文明
歴史徒然
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