2010年6月1日火曜日

特に注目してほしい合手(ごうす)形石製品

『出典』言語復原史学会・加治木義博:大学院講義録08:21頁

あとは前記のとおり副葬品の鏡や武具や、

筒形や琴柱(ことじ)形や合子(ごうす)形、鍬(くわがた)形、

紡錘車(ぼうすいしゃ)形、るつぼ(柑)形、

農耕具形などの石製品、曲玉や管玉などの装飾品。

特殊な文物として家屋文鏡や環頭と、

きぬがさ(蓋)形埴輪を代表とする

器材埴輪といったものが展示されている。

この中で特に重要なのが合子(ごうす)形石製品である。

合子(ごうす)は現在も寺院で香器として

使われているものと全く同じといっていい

蓋付きの円形容器で、短い脚がついている。

この姿は戦前まで、まだ使われていた、

花見などの行楽時に弁当などを天秤棒で担いでいく道具の

「行器(ほっかい)」にそっくりでもある。

ただ内容物が違うから大きさが変わるだけである。

行器(ほっかい)は薄く軽く削った木を曲げて造った漆器であるから、

合子(ごうす)も本来は漆器だった時代の姿を、

その脚に残していると考えていい。

仏教の香具はいうまでもなく死者を弔うためのものである。

それが副葬品の中に必需品として入っているのは当然のことだが、

それらが遺品として存在するということは、被葬者が仏教徒であり、

その文化がインドからのものであることを証言している。

私たちはすでに古墳が仏教のスツーパ(塔・卒塔婆)であることを知り、

奈良には大太郎法師・ダイタラポッチのウッタラが早く布教して、

銅鐸などを残したことを知っている。

前記の円墳・方墳以前の前方後円墳は彼等のものである。

『参考』

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小林登志子『シュメル-人類最古の文明』:中公新書
『メソポタミア世界』
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