『出典』言語復原史学会・加治木義博:大学院講義録08:21頁
あとは前記のとおり副葬品の鏡や武具や、
筒形や琴柱(ことじ)形や合子(ごうす)形、鍬(くわがた)形、
紡錘車(ぼうすいしゃ)形、るつぼ(柑)形、
農耕具形などの石製品、曲玉や管玉などの装飾品。
特殊な文物として家屋文鏡や環頭と、
きぬがさ(蓋)形埴輪を代表とする
器材埴輪といったものが展示されている。
この中で特に重要なのが合子(ごうす)形石製品である。
合子(ごうす)は現在も寺院で香器として
使われているものと全く同じといっていい
蓋付きの円形容器で、短い脚がついている。
この姿は戦前まで、まだ使われていた、
花見などの行楽時に弁当などを天秤棒で担いでいく道具の
「行器(ほっかい)」にそっくりでもある。
ただ内容物が違うから大きさが変わるだけである。
行器(ほっかい)は薄く軽く削った木を曲げて造った漆器であるから、
合子(ごうす)も本来は漆器だった時代の姿を、
その脚に残していると考えていい。
仏教の香具はいうまでもなく死者を弔うためのものである。
それが副葬品の中に必需品として入っているのは当然のことだが、
それらが遺品として存在するということは、被葬者が仏教徒であり、
その文化がインドからのものであることを証言している。
私たちはすでに古墳が仏教のスツーパ(塔・卒塔婆)であることを知り、
奈良には大太郎法師・ダイタラポッチのウッタラが早く布教して、
銅鐸などを残したことを知っている。
前記の円墳・方墳以前の前方後円墳は彼等のものである。
『参考』
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小林登志子『シュメル-人類最古の文明』:中公新書
『メソポタミア世界』
シュメル-人類最古の文明
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