2010年6月8日火曜日

眼に見える『日本書紀』編纂会議の様子

『出典』言語復原史学会・加治木義博:大学院講義録08:28頁

『日本書紀』編纂会議の席で雄略天皇関係の史料を読んでいた役人がいう。

「この宋への上表は、

はっきり臣従を誓っていて私たちが唐人に教えようとする我が国の権威を

台無しにしてしまいます。どうしたものでしょう?」

「誰かいい考えがあるか」

「省くわけには行きませんから、

いっそ神話にすれば別の事件になって問題はなくなります」

「皇后を天照大神の称号だけにし、

天皇の名乗りは天から天降った話がありますからその名を使いましょう」。

「うむ…それがいいな、瓊瓊杵の命か。

それなら幼武天皇とは思わない。よく考えたぞ!」

かくて新版『天孫降臨』「神話」が加わった。

編纂会議はこんなものだったのである。

本来の瓊瓊杵のカラ国降臨が鹿児島の姶良行きだったことは

すでに本講で検討済みである。

その原形と混合したのだから『天孫降臨』は、

まるで幼稚な野蛮人の伝説になってしまった。

それを「神聖」と信じている日本人の頭を、

心ある外国人たちは疑い、蛮人視する者も多い。

在来の日本史家の説明程度ではそれをどうすることもできなかった。

それは武の上表の内容が、そんな劣等感を抱かせるのは何故か?

と疑問視して、

始めてこれまでみてきたこの結論に結びっくのだからからである。

それさえできれば

「武の上表文」は

私たち日本人にとって恥かしいどころか史実を語る凄い至宝で、

決して恥じでも無用の記録でもなかったのだ……。


『参考』

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小林登志子『シュメル-人類最古の文明』:中公新書
『メソポタミア世界』
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