2011年12月9日金曜日

なぜ?過去の「学説」は死滅したか?



 『出典』言語復原史学会加治木義博大学院講義録23:11頁

 《なぜ?過去の「学説」は死滅したか?

 こうして覚めた眼でみると、

 『記・紀』は 末尾に近い大化大戦=天智天皇革命に至るまで、

 中国の記録と対照しなければ「時間帯」が全然不明の、

 これでも『歴史書』か?と、

 疑問をもつような欠陥「正史」だったのである。

 もちろん、そこには何年何月、誰が、何をしたかと書いてある。

 しかしそれは体裁だけの作り物で史実ではないことは、

 ソナカ記録の、時間帯を無視した分散状態だけでも充分証明されている。

 こんな事実を知らず、あるいは無視して論じられてきた過去の学説が、

 時間帯あっての史学であることさえ意識しない程度の人物の、

 ちょっとした思いっきにすぎないということは、少し考えればわかることである。

 文字に弱い一般の人は、書物の体裁や活字に幻惑されたり、

 あるいは肩書きに敬意を払い過ぎて内容を批判できないが、

 真実を知った私たちには、

 恐ろしい八俣の大蛇には見えず、

 山田の案山子にすぎない正体がはっきり見える。

 これが過去の『学説』が次々に消滅していく理由なのである。

 その欠陥をまざまざと表現しているのが、正しい『定義』が皆無だった事実である。

 歴史にも他の科学と同じ『定義』が不可欠なのに、そのことにさえ気付かず、

 欠けたままにしていた国史学界そのものが、生存できない宿命を育てていたのである。

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