2011年12月6日火曜日

『魏書倭人章』の真価は卑弥呼時代を定義したこと



 『出典』言語復原史学会加治木義博大学院講義録23:8頁

 《『魏書倭人章』の真価は卑弥呼時代を定義したこと

 しかし、このまま興味本位に「『古事記』偽書説」に滑りこんでしまっては、

 本講の主題である『定義』から脱線してしまう。偽書説問題は簡単ではない。

 後にまわして、ここではこれまでの定義の価値を確認して、

 さらに定義を充実させるのが本題でなければならない。

 これで『古事記』が『日本書紀』を写したものだと定義できたから、

 安心して『日本書紀』に重点を置いて、

 この定義を確立させた「ソナカと卑弥呼記事の分散」が

 『魏書倭人章』の本当の価値を証明する事実を、

 よく印象に止めて戴けるお話をすることにしよう。

 歴史に関心の薄い人でも、

 戦後のいわゆる「邪馬台国ブーム」はご存じである。

 それほど日本人の関心は

 「邪馬台国はドコにあったか?」に集中していた。

 しかし『魏書倭人章』の本当の価値は

 「邪馬台国はドコにあったか」なんかではない。

 その最高の功績は、

 卑弥呼が「いつの時代の実在者だったか」を記録していたことなのである。

 卑弥呼は

 「後漢の桓帝と霊帝との間ごろに倭国の女王に共立され、A.D.248年に死んだ」。

 これがわが国の正史とされる『記・紀』ではさっぱりわからない。

 『魏書倭人章』があって始めて確認できたのである。

 だからこれも、卑弥呼とその別名による記録類が史実だと確認できる『定義』なのである。

 その定義がどんなに役に立つのか?、詳しくお話ししてみよう。

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