2011年5月27日金曜日

『干支圏』や『五彩圏』と正反対の中華方位思想

『出典』言語復原史学会・加治木義博:大学院講義録19:3頁

大学院講義録18では、

我が国からシベリヤにかけて

干支圏』が広く分布している事実が理解できた。

しかし、その中心には中国があるから、

これだけではまだ、

それを中国発祥の古代文化だと錯覚する人が、

あるかも知れないと思うので、

この点をもっと明確にしておこう。

中国の方位観は、多くの史書が書く

東夷

北狄(てき)

西戎(じゅう)

南蛮」の四方位で、

中央に「中華」がくる。

そこにあるのは皆「夷狄(外敵=蛮人)」の代名詞で、

獣の名も色の名の片鱗もない。

強いていえば蛮人を獣なみに見ていたと言えなくもないが、

四神』の獣は竜も虎も只の獣ではない。

竜は中国人が帝王の象徴とし、

他の鳥獣も尊い神霊として崇めてきたものばかりである。

中心が全く逆で根本的に違っていることを見落としてはならない。

それは中国の方位圏が、国家の構成を示すためのものではなく、

国家として認めるのは、

中央の「中華」だけであって、

四囲に居るのは全て蛮族だという、

他をけなして自国だけを誇示しようとする

「劣等感の産物=中華思想」が生んだ方位観だからなのである。

だから中国のそれは「敵」を明示した「闘争思想」の表現であり、

我が国のそれらは全て「和の思想」の産物だという違いがある。

この「ワ=和」が、聖徳太子の時代まで一貫した国家理想だったからこそ漢音

ウワイ」の倭を「ワ」と訓読することにもなったのである。


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