『出典』言語復原史学会・加治木義博:大学院講義録13:15頁
1つの建物を説明するには、
まず地図のような平面図が要り、
次に玄関の方から見た正面図がいり、
次に右横から見た側面図がいり、
つぎに左側、つぎに裏側、2階があれば、その平面図と、
構造が複雑になればなるほど多くの視点からの
設計図、説明図が必要になる。
だがこれでも、その建築物の全貌がわかったわけではない。
屋根の構造や瓦の性格も千差万別であり、
そこに太陽光発電設備を載せたりする場合もある。
それが済むと電気やガスの配線や配管をし下水溝をつくり、
トイレや風呂場やキッチンの水回りの配管を済ませた上で、
床や壁や天井を取り付け、
そこにドアや窓をつけ、サッシをはめ、
それらを塗装し、壁紙を貼り、
照明や温熱用のソケットを取り付け、エアコンを取り付け、
電話設備やアンテナの端末を取り付け、
窓にはブラインドやカーテン掛けを取り付けて、
ガラスをはめる。
そのためには、それらの材料、部品の一つ一つにも、
また詳細な、用途、特徴、使用法、手入れ法のマニュアルが必要で、
それらが全て完備して、はじめて完成するのである。
ごくありふれた家屋建築でも、実に複雑な立体構造をもっている。
そうしてそれらは一気に完成するのではない。
基礎から内装まで順序正しく最適の部品を、
順序正しく取り付けることを積重ねていって、
初めて一軒の立体構造物として完成するのである。
『参考』
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小林登志子『シュメル-人類最古の文明』:中公新書
『メソポタミア世界』
シュメル-人類最古の文明
歴史徒然
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