『出典』言語復原史学会・加治木義博:大学院講義録12:22頁
以上が『異説・日本古代国家』からの転記である。
以下は省略しながら引用していこう。
前2ページの神名に欠けている1から4までは、
1 八島士奴美、
2 大歳神、
3 宇迦之御魂神、
4 布波能母遅久奴須奴神である。
この大量の名には当然、当て字違いの同名を含んでいる。
1と18と34は、ヤジマ、ヤジム、ヤジマム。
41のハヤジヌミも夜と島の一字違いで1とほとんど共通している。
2と共通点のある神名は15の国を土にして、沖縄発音で読むとウトシュ、
19ウトシ、81ウトシンなど一見して共通している。
これからいくと事代主は子大歳主=コウトシの主、
またはコオトシの主への当て字だということにもなる。
3をウカシミコムと読むと5がウカミシカム。
7にフカブシカムが含まれていて、
16もウケムジカムになる。
19もウ都シコカム。
22にもウカミコカムが含まれ。
44のミカを御カへの当て字替えとみると、ウカヌシビコカム。
61ウ国ミコム。
70ウツシビコカム。
71ウコシミカム。
80庭コシカム。
81を大土之神と書くとウトシカム。
89もウカシミヵムと実に大きく共通しているし、
81を考えると、2と3は同じ神名から分れた可能性が
大きいことを見逃せない。
それだけでなく
9淤美豆奴神も大日津奴神と当て字を換えるとウカツヌカムになる。
また67の大香山戸臣神も山戸を取るとウカシンカムで、
間違いなくもとは同じだとわかる。
山戸はヤマトで意味のある発音だから、
故意につけ加えた可能性が高い。
こうした追及を続けると、
総数50の名が、3と同じ名であるということになる。
私たちはすでに、
私たちの先祖が異なった複数の言語を話していたことを確認しているし、
発音もまた、現在でさえも様々に変化し続けていることを知っている。
そして当て字も同音異字の多い漢字を使ったから、
実に様々な文字が当てられているし、
その漢字がまた、複数の発音をもっているために、
人によって読み方が変わる。
それを聞き書きすると、また別の文字が使われ、
まるで別物のような名が生まれる。
これが天武天皇が嘆いて言ったという
「諸家のもつ『帝記』と『本辞』は、
すでに正実が違い、
虚偽を多く加えている」の原因なのだ。
さらに明確なことは、
これまで見てきたのは本当は『神名』などではなく、
藷豪族がそれぞれの家に代々伝えてきた記録である
「皇族名」なのだということである。
過去の史学界で常識だとされていた
「神名だからヤヤコシイのは当り前だ」という考えは、
余りにも幼稚な思い込みに過ぎなかったのである。
『参考』
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小林登志子『シュメル-人類最古の文明』:中公新書
『メソポタミア世界』
シュメル-人類最古の文明
歴史徒然
歴史回廊
ウワイト
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