2010年5月18日火曜日

「原」の謎を解く「ハラカラ」の語源

『出典』言語復原史学会・加治木義博:大学院講義録08:7頁

この間題には都合のいい有名な答がある。

それは「ハラカラ」という日本語の存在である。

ハラカラとは「同胞」と書く古語で

「兄弟姉妹」の意味に使われてきたが、

明治以後は日本の統一を眼目に、

極端な国家主義に利用されて「国民」の意味に多用された。

問題はその語源である。

「同じ腹から生まれた」という意味で「腹から」というという説もあったが、

「同じ」が省略されると「腹から生まれた者」であって、

卵生のものを除いても胎生の動物は全て「ハラカラ」になり、

「兄弟姉妹」だけを指すわけがない。

卵生のものでも、卵は「腹から」生まれると反発されて、

この説は完全に消滅してしまっている。

では「ハラカラ」の語源は何か?。

それは一つしかない。

多民族国家だった古代日本では

「ハラ」も「カラ」も「同じ意味」の言葉だった。

だからハラと発音する人たちも、

カラと発音する人たちも「兄弟同然だ」というのが、

この言葉の真意である。

だからもともとこの言葉は、

国家統一時代に生まれた新語だったのであり、

国家主義の芽生えが意識にのぼりはじめた時代の

「同胞」に当たる造語だったのである。

だから「ハラ」は「カラ」と同じ意味をもっていた。

それは<ヒ>と発音しても、<シ>と発音しても、

同じ「日」や「火」を意味するように、

単なる方言差に過ぎなかったのである。

『参考』

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小林登志子『シュメル-人類最古の文明』:中公新書
『メソポタミア世界』
シュメル-人類最古の文明
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