『出典』言語復原史学会・加治木義博:大学院講義録02:17頁
その銅鐸圏の地図が何を立証するか、を読者と共に考えるのが、
この部分の目的である。
地図には銅鐸の出土量に比例した数の銅鐸型の標識と、
古代の国名が書いてある。
この2つのファクターがここの主題になるから、
現代の県名や他の出土品などの、
画面を複雑にして印象を破壊する因子は皆とり除いてしまう。
これだと読者の記憶力に余り負担をかけない。
この2つのうち国名は『魏書倭人章』に記録があるから、
直接、比較することができるが、
その国名は読者を悩ませて嫌わせる「難解な発音」でできている。
在来ならそこで倭の国名の読み方から説明にかかるのだが、
それではますます目的から遠ざかるから、
読み方の説明は省略してしまう。
その代り比較する国名にルビ(カナ)をふっておく。
これだと読者には負担がかからないし、
読者自身が簡単に比較できるから、
自発的に比較して再確認し、
文字は違っていても発音が共通していることを明確にし、
共通の国名が少ししかないことを、しっかり納得してもらえる。
この場合も、過去の論文なら、発音の一致しない国名も、
全部ならべて「完全」にしようとしたが、それは読者の頭を、
いたずらに混乱させ、過労させて、
それ以後を読み続ける意欲を殺(そ)いでしまうから、
肝心の目的を達成できない。
形式悪のために自滅することになる。
だから、それより半島から倭へのコース上の国々に話題を変える。
『参考』
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小林登志子『シュメル-人類最古の文明』:中公新書"
『メソポタミア世界』
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