『出典』言語復原史学会・加治木義博:大学院講義録02:12頁
では私たちの歴史の本は「娯楽商品」にはならないのか?。
そんなことはない。
人いきれに悩んだ頭が一番求めている静寂は、
自分の室で静かに読書する孤独に勝るものはない。
球場やライブ会場の人ごみはもちろん、往復の乗り物の混雑や、
自動車でも信号待ちや停滞にイライラがつのるが、
我が家で読む本にはそんな不快感はない。
それにもまして、歴史には現実を忘れさせるロマンがある。
夢中にさせる謎と謎解きが、さらに人を熱中させる。
重要なのはここである。
いま私たちが考えている主題は、
「読者が何を難しいと感じるのか」ということだった。
ところが謎というのは文字を変えれば「難解」なもののことである。
たとえ漢字が難しくて、言葉づかいも古臭くて、
辞書を引いてやっと読めるような文章でも、
そこに謎のままのものがなければ、
意味がわかって理解できる。
ところが「謎」とは、解明されずに、
不明のまま残っているもののことである。
読者は、その「謎」にこそ興味があるのである。
その謎も簡単に解けるようなものでは物足らない。
難解なものほど興味がある。
巨大な謎が先ずあって、その一角が崩れたと思うと、
また次々に新たな謎が出現するようなものを求めている。
難かしいことが嫌われているのではなく、
「難しいほう」を喜ぶのである。
おわかりのように「難しさ」にも種類があるのだ。
『参考』
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小林登志子『シュメル-人類最古の文明』:中公新書"
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