2011年10月29日土曜日

書紀編纂の深奥部まで見せてくれた「語呂合わせ」


 『出典』言語復原史学会加治木義博大学院講義録21:27頁

 《書紀編纂の深奥部まで見せてくれた「語呂合わせ」

 そんな目に遭いたくないから、『日本書紀』を作らせた天皇が、

 「皇祖皇考 乃わち神乃わち聖」だと、

 「同じように君臨していても、我々天皇は中国の逆臣どもとは違うのだ」

 と主張したのは当然のことで、全然、迷信なんかとは関係ない。

 この伝統が今まで残っているから、国家神道系の神官たちは、

 天皇家のために「神」を祭っているのである。

 ただそれが、進んだ世界の影響で知能水準が高くなった人々が、

 正しく真実を知り初めてきたために、

 「迷信」の正体を自ら暴露し始めているだけなのだ。

 唐代の知恵がそのままで今もなお国民を当時のように納得させるはずがない。

 私がそれに変わる真実の建国史が要ると主張し続けてきたのは、

 旧態依然の亡国の徒に我が国を滅ぼさせないためなのである。

 こうお話ししてくると、

 詰まらない「語呂合わせ」にしか見えなかったヒナクニシナトが、

 『日本書紀』編纂の深奥部まで見せてくれたことが、よくおわかり戴けたと思う。

 詰まらぬどころか、見逃すことのできない記事だったことに、

 反対なさる方はいないはずである。

 これで書紀編者がなぜ

 『讖緯説(しんいせつ)』をわざわざ使ったのかも、徹底的に理解できた。

 本居がそれを嘲り、非難した行為が、どれくらい浅薄な情けないものだったか、

 よくおわかり戴けたと信じる。

 といっても幕末の狭い視野ではそれは無理もない。

 責めてはいけない。

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