『出典』言語復原史学会・加治木義博:大学院講義録10:20頁
この隅田正会員のご発見がなぜ?偉大か、
それは在来、
古代人の野蛮な想像が生んだ出鱈目な名に過ぎないと思われていたものが、
事実は応神天皇が相続した
名乗り=実在した歴史上の人物の名乗りだったと確認できたからである。
それは迷信による自然神の名ではなく、
先祖を祭祀するための貴い別名だったのだ。
もちろん古代の我が国でも、
ギリシャ人を祖先にもつ人々が
ゼウス、ポセイドン、アフロディテ、ポントスなどという神名を、
実際に子供の名や王名として命名した証拠がすでに山積している。
この応神のシナトの神は、
そのポントスへの当て字である品都を読み変えたものであることも、
また疑いの余地がない。
だから、生前の名乗りに尊・命をつけたものと、
全く形を変えて諡号(おくりな)にしたものとがある。
仏教の「戒名」には居士や大姉をつける。
また生前の名とは無関係な、
しかし故人の人格を偲(しの)ばせる別名をつける。
これはギリシャ式ではなく卑弥呼の仏教の遺物である。
間違いなく誉田別尊も志那都比古もこの仏教の戒名に当たる。
こう理解した瞬間に、
在来は放置状態に置かれていたそれら神名群は、
貴重な過去帳として重要な存在に飛躍したのである。
かくて『上っ巻』の神名は日本史にとって、
史実を復元する文化財の一大宝庫になった。
隅田先生の発見は小さなものではない。
それを更に応用し拡大してより充実させる必要がある。
『参考』
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小林登志子『シュメル-人類最古の文明』:中公新書
『メソポタミア世界』
シュメル-人類最古の文明
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