『出典』言語復原史学会・加治木義博:大学院講義録09:29頁
葛城は「姶カツ・良ラ・王キ」への当て字。
鹿児島に古い葛城姓を残し、
沖縄本島南部の勝連城もそれだから、
奈良・和歌山両県の<葛城>を考える必要はない。
むしろ伊奢麻和迦(イザマワカ)の母という方に問題がある。
高木入日売の皇子に同名の
<伊奢真若(イザマワカ)>がもう一人いるからである。
『古事記』は后妃皇子女の総括部に、
皇子女は「併せて26柱」とわざわざ書いているが、
このリストを数えると27人になるから、
イザマワカは一人。
その母も一人。
葛城野伊呂売は高木入日売の別名なのである。
野は助詞の<ノ>。
伊呂売は入日売の方言化、
<葛城>も<高木>の方言化とみると<城>も<木>も<キ>。
<葛>は<カツ>、<高>は<カウ>、<高木>を<カウ津キ>と読めば、
南九州人は短縮して<カツキ>と発音し<葛城>と同じものになる。
系図の末尾に書かれた疑問の母子は、
南九州方言を知らない<太安萬侶>が、
番外としてメモっておいたものだったとわかる。
これで<葛城>という名乗りが、
<高木>と同じものであると確認できた。
するとこれまで単なる武将としか認識されていなかった
葛城曽都毘古(襲津彦)や、
后妃を多数出し続ける葛城氏の意味が全く変わった存在に見えてくる。
曽都毘古は仁徳天皇の皇后・石日売の父だから、
石日売も高木入日売であり女王で、
仁徳天皇のほうが入り婿の
<クシャトリア(大元帥)>だということになる。
嬶(かか)ア天下(でんか)に見えていた
仁徳夫妻の関係は自然なものだったのである。
『参考』
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小林登志子『シュメル-人類最古の文明』:中公新書
『メソポタミア世界』
シュメル-人類最古の文明
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