『出典』言語復原史学会・加治木義博:大学院講義録10:5頁
前号では系譜を観察すると
実に様々な歴史の真相が見えてきた。
それは名乗りが、彼等の所領を明示しているからで、
それはまた事件がどこで起こったかを記録しているし、
さらにその周辺の地名が語る歴史が、
それを正しく脚色して、劇的な効果まで挙げるからである。
次は実例として、
まず前号で未完の「応神名替え」を取り上げてみよう。
名替えの相手は
『古事記』
「伊奢沙(イササ)和気大神・御食津(ミケツ)大神・気比大神」
場所は「高志前角鹿(ガ)」
『日本書紀』
「笥飯(ケイヒ)大神」(『神功皇后紀』十三年春二月)
場所は「角鹿」である。
笥飯=気比で、角鹿は共通している。
これを前ページp.4の建内系譜と見比べると、
角を名乗るのは木角宿祢である。
気と木も共通音「キ」をもつ。
前号でお話ししたように
南九州語では気・木をキヒと発音するから、
気比はその振り仮名用の当て字である。
角我はツヌガと発音されるから、我はガへの当て字だ。
建内氏はその名乗りで沖縄を本拠とした
高族であることを表現しているのだから、
沖縄語だとチヌグァでチヌ子やチヌ小だ。
すなわちグァは本土語の「コ」である。
この「コ」は木の古音でもある。
こうみると角我は角木、
現在の津奈木と同じものになり、
木角の逆になるが、木ノは沖縄音チヌで角もチヌ。
木も角も同じだから逆転しても同じ、
気比の角鹿とは津奈木だった可能性がある。
『参考』
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小林登志子『シュメル-人類最古の文明』:中公新書
『メソポタミア世界』
シュメル-人類最古の文明
歴史徒然
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ウワイト
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