2010年7月26日月曜日

「火中」もまたカゼヘの当て字の変化

『出典』言語復原史学会・加治木義博:大学院講義録10:19頁

「隅田正会員の寄稿」

垂仁天皇記を見てみよう。

これも冒頭から

伊久米伊理毘古伊佐知命、師木の玉垣宮に坐まして天の下治らしめき。

この天皇 沙本毘古命の妹 佐波遅比売を娶して生ませる御子 品牟都和気命。

とあって、品牟都和気=シナトワケと読め、本がシナと読めた時は、

沙本毘古=サシナ毘古、沙本毘売も=沙品=サラシナと読めばすべて意味が通じてくる。

同じく沙本のはやさめで有名な、御子の誕生を眺めてみよう。

「凡そ子の名は必ず母の名づくるを、何とかこの子の御名を称さむ」とのりたまひき。

ここに答えて白ししく。

「今、火の稲城を焼く時に当たりて、火中に生れましつ。

故 その御名は本牟智和気の御子と称すべし.」と曰しき。

とあるが(中略)

火=カ、中=ジュウ、カジュウ=風王。火のヒに気をとられて、

火中をカゼと読むことの難しさはあるが、火中も風の当て字と考えると、

シナトワケもすっきり意味が解る。

仲哀天皇記の「大鞆和気命 亦の名は品陀和気命。」も一目瞭然、、

テーマは風である。

神功皇后妃も例の名替え事件が出て来て、伊奢沙和気大神との名替えも、

もっと深い意味が解るであろう。

応神天皇記は冒頭の文だけではない。いたる所に見をみることが出来る。

『参考』

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小林登志子『シュメル-人類最古の文明』:中公新書
『メソポタミア世界』
シュメル-人類最古の文明
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