『出典』言語復原史学会・加治木義博:大学院講義録16:11頁
これでギリシャ人と、
フェニキャ人とを別の国の、別の人種だと思っていたのでは、
絶対に古代史の謎など解けないことがおわかり戴けたと思う。
ヒトラーが宣伝した民族史観などが学問の内に入らず、
無茶苦茶にしてしまうことが、
これでおわかりのはずである。
それは現実に、戦後のドイツ史学の停滞になって現われている。
もっともそれは我が国でも隣国でも似たようなものである。
劣等感を裏返しにしただけの史学?が、
どれだけ多くの愚かな説を生み出してきたか、
蔵書の山を見て悲しくなるのは皆様も同じだとおもう。
はるばるフェニキャからやってきて、
我が国の基礎を築いた父祖の功績を知らずに、
神か悪魔かわからないものを崇拝して何になるか?。
子供達が劣等感をもち、未来に希望を失い、
働く目的も意欲ももてずに、勤労を嫌い、
遊びに明け暮れて、犯罪者に転落するのは当然のことである。
それをさせる大人たちが、
自分の無知や思想の誤りをまるで自覚できず、
他人の責任のように嘆き、怒って見せる。
このままでは我が国の明日の惨状は、今から眼に見えている。
私たちは折角すばらしい先祖をもちながら、
愚かな先学らに毒されて、
奇妙な神国観を吹き込まれ、その尻拭いの戦禍に巻き込まれ、
今なお米軍に占領されたままの国に住んでいる。
今ほど真実の建国史を知って、
劣等感を一掃する必要のある時はないのである。
『参考』
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小林登志子『シュメル-人類最古の文明』:中公新書
『メソポタミア世界』
シュメル-人類最古の文明
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