『出典』言語復原史学会・加治木義博:大学院講義録16:9頁
では、アゲーノルの残りの「ノル」はどうなるか?。
ノルという日本語の古語は「宣る」で、
上が下に向かって命令することである。
『古事記』は貴人の名や名乗りに「命」をつけている。
これは在来は「ミコト」と読むと決められていたが、
このミコトは御言葉の省略で「御言」すなわち命令であるとされてきた。
するとそれは「ノル=宣る」と同じことである。
そして「命」という文字は、イノチという発音が一般的で、ミコトは、
こんなに説明しなければわからない特殊な使い方なのである。
ところがアゲーノルの方は「アゲー宣る」と理解すると
「上井命」と書いたものと同じになる。
命が御言か宣るかは、まだ断定できないが、この2つが、
どちらでも同じことであるのは間違いない。
アゲーノルが「命」という敬称の語源である可能性は残っている。
ここで是非、付け加えておく必要があるのは、
私たちの最大の利器「名乗り」についてである。
それは慣習に従うほかないから、
使い続けている「名乗り」という言葉の「乗り」も本当は、
この「宣る、宣り」なのだということなのである。
「名を宣る」から「名宣り」が正しいのである。
間違った「名乗り」という用字では、
一般のかたには何のことか分からなくて当然なのだ。
だが我が国には歴史に限らず、
同様の恥を晒している用語が実に多い。
『参考』
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小林登志子『シュメル-人類最古の文明』:中公新書
『メソポタミア世界』
シュメル-人類最古の文明
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歴史学講座『創世』
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