2009年10月31日土曜日

ウヅマサは秦(はた)とは無関係な形容詞「号」

 『出典』言語復原史学会・加治木義博:大学院講義録36:5頁

 『新撰姓氏録』の

 「左京諸藩・太(うづ)秦の公宿弥」の条と、

 「右京諸藩・秦の忌寸」の条と、

 「山城諸藩・秦の忌寸」の条などに、こう書いてある。

 「秦の公・酒は功満王の三世孫

  (または弓月の君の孫・普洞王=浦東君の男=子息)だ。

  雄略天皇の御代、普洞王のとき秦民が劫略に遇い、

  今はその十分の一も現存しない状態なので、

  秦の公・酒は天皇に、

  実状を点検して召し集めて戴きたいと請うた。

  天皇は聴き入れて、

  小子部(チイサコベ)の雷(イカツチ)に、

  大隅阿多隼人らを率いて捜査し、

  集めさせた結果、秦氏の九十二部、

  一万八千六百七十人を回収して、酒に賜わった。

  酒はその人々に養蚕をさせ絹織物を織らせて、

  朝廷に運び、

  丘のようにうづ高く積み上げたので、

  天皇はことのほか酒を御寵愛になり、
 
 禹都万佐(ウツマサ)という号を賜わった。

  そのため酒は一層秦の民たちを督励して、

  長谷朝倉の宮の皇居のそばに八丈蔵を増築し貢ぎ物を納めた。

  これが大蔵の初めで、酒が初代の大蔵大臣を勤めたのである」

 と複数の記録が残っている。

 だからウズマサは大秦や太秦という名詞とも、

 文字とも何の関係もない全く別の形容詞に過ぎない。

 それを『日本書紀』の記事すら知らずにいて、

 古代ローマの中国名である大秦に結び付けるのは、

 誰が考えても許されることではない。

 『参考』

 小林登志子『シュメル-人類最古の文明』:中公新書:『メソポタミア世界』 http://www.orient-matsudo.com/kobayashi-shumel.htm
 オリエントより日本への遷都:『言語復原史学会:加治木義博』 http://bloghistorygallary.blog10.fc2.com/blog-category-11.html
 シュメル-人類最古の文明:『小林登志子』中公新書 http://bloghistorygallary.blog10.fc2.com/category9-20.html http://blogs.yahoo.co.jp/matmkanehara/folder/1602066.html
 「古代オリエントの地名一覧」 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8F%A4%E4%BB%A3%E3%82%AA%E3%83%AA%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%83%88%E3%81%AE%E5%9C%B0%E5%90%8D%E4%B8%80%E8%A6%A7#.E3.82.A4.E3.83.A9.E3.83.B3.E9.AB.98.E5.8E.9F
 「古代オリエントの用語一覧」 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8F%A4%E4%BB%A3%E3%82%AA%E3%83%AA%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%83%88%E3%81%AE%E7%94%A8%E8%AA%9E%E4%B8%80%E8%A6%A7
 「メソポタミア神話」 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A1%E3%82%BD%E3%83%9D%E3%82%BF%E3%83%9F%E3%82%A2%E7%A5%9E%E8%A9%B1
 「バビロニア神話」  http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%90%E3%83%93%E3%83%AD%E3%83%8B%E3%82%A2%E7%A5%9E%E8%A9%B1
 「ギリシア神話」  http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AE%E3%83%AA%E3%82%B7%E3%82%A2%E7%A5%9E%E8%A9%B1
 「オリエント学」  http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AA%E3%83%AA%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%83%88%E5%AD%A6
 「アッシリア学」  http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%83%E3%82%B7%E3%83%AA%E3%82%A2%E5%AD%A6
 「中国学」  http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%AD%E5%9B%BD%E5%AD%A6
 「ギルガメシュ叙事詩」  http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AE%E3%83%AB%E3%82%AC%E3%83%A1%E3%82%B7%E3%83%A5%E5%8F%99%E4%BA%8B%E8%A9%A9  http://www.aurora.dti.ne.jp/~eggs/gil.htm
 「フェニキア」  http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A7%E3%83%8B%E3%82%AD%E3%82%A2%E4%BA%BA
 「古代エジプト」  http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8F%A4%E4%BB%A3%E3%82%A8%E3%82%B8%E3%83%97%E3%83%88
 「ヒッタイト」  http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%92%E3%83%83%E3%82%BF%E3%82%A4%E3%83%88
 「アナトリア半島」  http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%8A%E3%83%88%E3%83%AA%E3%82%A2%E5%8D%8A%E5%B3%B6
 「新潮社」五〇〇〇年前の日常―シュメル人たちの物語―  http://www.shinchosha.co.jp/books/html/603574.html                         

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