2013年5月19日日曜日

牛祝祭(4)



 創世紀―牛角と祝祭・その民族系譜―

 著述者:歴史学講座「創世」 小嶋 秋彦

 執筆時期:1999~2000年

 牛角と祝祭・その民族系譜:24頁

 第一章 「牛祝祭」 (4)

  古事記、日本書紀のその場面を転記してみる。

 『古事記』

  八百萬の神、天安の河原に神集ひて、

  高御産巣は神の子、思金神に思はしめ、

  常世(とこよ)の長鳴鳥(ながなきどり)を集めて鳴かしめて、…略…

  天宇受売命、天の香山の天の日影を手次(たすき)に緊(か)けて、

  天の眞折(まさき)を縵として、

  天の香山の小竹葉(ささば)を手草(たぐさ)に結(ゆ)ひて、

  天の岩屋戸に汗気伏せて蹈(ふ)み登杼呂許志(とどろこし)、

  神懸(かみがか)り為(し)て、

  胸乳を掛き出で裳緒(もひも)を香登(ほと)に忍(お)し垂れき。

  璽に高天の原動(どよ)みて、八百萬の神共に咲ひき。

 『日本書紀』

  八百萬神、天安河に會(つど)ひて、其の祈るべき方を計ふ。

  故、思兼神、深く謀(はか)り遠く慮(たばか)りて、

  遂に常世の長鳴鳥を聚(あつ)めて、互に長鳴せしむ。

  …略…又猿女君(さるめのきみ)の遠祖天細女命(あめのうずめのみこと)、

  則ち手に茅纏(ちまき)の矟(ほこ)を持ち、

  天石窟戸の前に立たして、巧(たくみ)に作俳優(はざをさ)す。

  亦天香山真坂樹を以って鬘にし、蘿(つた)を以って手繦(たすき)にして、

  火處焼き、履槽置(うけふ)せ(履槽此れをば于該(うけ)と云ふ)、

  顕神明之憑談す(顕神明之憑談。此をば歌牟鵝可梨(かむがかり)と云ふ)。

 《Key Word》

 猿女君

 天細女命

 茅纏

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