2009年9月24日木曜日

殷(商)帝国滅亡にも見るイサナキ説話

 『出典』言語復原史学会・加治木義博:大学講院義録38:24頁

 ほかにも我が国と殷との関係は、

 神話伝承にもに共通のものがあったと考えられるものがある。

 殷は周に滅ぼされたが、

 その周が殷王朝打倒の理由に挙げている有名な物語が、

 最後の皇帝・紂(チュウ)王が、

 王妃・坦己(ダッキ)という悪女の尻に敷かれて、

 酒池肉林を初めとする乱行、悪政の限りを尽くしたので、

 天下万民のために周の武王が立って征伐し、

 新たに周王朝を建てたという歴史を遺した。

 勝者はどのようにでも都合よく歴史を書ける。

 しかし、まるっきり嘘ばかりでは自国民も内心、

 武王とその政権を軽蔑する。

 だから根拠がなければならない。

 この坦己が紂王を尻に敷いたというのは、

 作りごとではなかった。

 それは殷人はカリエンだったから、

 ウバイド以来の女帝制国家であったことは、

 当時の人々の常識だった。

 武王はその女帝制の平和偏重の欠点を衝いて、

 「武」の必要を誇張し、

 男帝制の優位を掲げて革命に成功したから『武』王なのである。

 だから「女性上位では悲劇に終わる。男性上位が良い」

 というイサナキ説話と同じ葛藤と教訓が、

 ここにも実在していたのである。

 岐美2神には「子の数に入らない子供」しか生まれず、

 坦己と紂王には継ぐべき子孫も国土も無くなってしまった。

 わが国の『イサナキ説話』には、

 こうした同族の古い記憶や教訓が入っていたのだ、

 ということも見落としてはならないと思うが、如何であろうか。

 『参考』

 小林登志子『シュメル-人類最古の文明』:中公新書:『メソポタミア世界』 http://www.orient-matsudo.com/kobayashi-shumel.htm
 オリエントより日本への遷都:『言語復原史学会:加治木義博』 http://bloghistorygallary.blog10.fc2.com/blog-category-11.html
 シュメル-人類最古の文明:『小林登志子』中公新書 http://bloghistorygallary.blog10.fc2.com/category9-20.html http://blogs.yahoo.co.jp/matmkanehara/folder/1602066.html
 「古代オリエントの地名一覧」 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8F%A4%E4%BB%A3%E3%82%AA%E3%83%AA%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%83%88%E3%81%AE%E5%9C%B0%E5%90%8D%E4%B8%80%E8%A6%A7#.E3.82.A4.E3.83.A9.E3.83.B3.E9.AB.98.E5.8E.9F
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 「アッシリア学」  http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%83%E3%82%B7%E3%83%AA%E3%82%A2%E5%AD%A6
 「中国学」  http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%AD%E5%9B%BD%E5%AD%A6
 「ギルガメシュ叙事詩」  http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AE%E3%83%AB%E3%82%AC%E3%83%A1%E3%82%B7%E3%83%A5%E5%8F%99%E4%BA%8B%E8%A9%A9  http://www.aurora.dti.ne.jp/~eggs/gil.htm
 「フェニキア」  http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A7%E3%83%8B%E3%82%AD%E3%82%A2%E4%BA%BA
 「古代エジプト」  http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8F%A4%E4%BB%A3%E3%82%A8%E3%82%B8%E3%83%97%E3%83%88
 「ヒッタイト」  http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%92%E3%83%83%E3%82%BF%E3%82%A4%E3%83%88
 「アナトリア半島」  http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%8A%E3%83%88%E3%83%AA%E3%82%A2%E5%8D%8A%E5%B3%B6
 「新潮社」五〇〇〇年前の日常―シュメル人たちの物語―  http://www.shinchosha.co.jp/books/html/603574.html

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