2009年9月14日月曜日

初めて理解できた『日本書紀』の目的

 『出典』言語復原史学会・加治木義博:大学講院義録38:14頁

 その体制整備で最も頭を悩ましたのは言うまでもなく

 女帝制と男帝制との対立だ。

 確かに持統天皇以後、女帝制は回復したが、

 血縁は歴代天皇が天智天皇の皇子女である。

 大化の再来は国の根幹を揺るがし兼ねないし、

 また地方の支配者・国造をどうするか?

 という大問題に直面したからである。

 その結果は、皇女はたとえ姉でも、

 天照大神=斎王として神事を司り、

 皇太子が次の天皇になるという、

 バラモン方式(斉王=ブラフマン、天皇=クシャトリヤ)=

 『日本書紀』式の相続法に移行したことでその経過が判るから、

 『日本書紀』はこのシステムを弁護するために作られた『皇統譜』で、

 それ以前の『帝紀』は、

 それを持っていた諸家から取上げて焼却処分してしまった。

 『古事記』がそれを

 「序文」に天武天皇の意向だったと書くのは責任転嫁だから、

 『記・紀』とは何かという論義は、

 ここまで来ないと本当の結論は出ない。

 だが有り難いことに、

 それまでは「女性が国造だった」という証拠が、

 厳しい官憲の検閲焚書の眼を逃れて残っている。

 それは『播磨国風土記』の

 「讃容郡」弥加都岐原の長文の中にある

 「因幡国造・阿良佐加比賣」である。

 国造だから当然『国造本紀』に載っているはずなのに、

 そこには

 「成務天皇の御世に彦坐王の子・彦多都命を稲葉国造にした」

 とあるだけであって、

 これもまた検閲焚書の実態をまざまざと記録している。

 『参考』

 小林登志子『シュメル-人類最古の文明』:中公新書:『メソポタミア世界』 http://www.orient-matsudo.com/kobayashi-shumel.htm
 オリエントより日本への遷都:『言語復原史学会:加治木義博』 http://bloghistorygallary.blog10.fc2.com/blog-category-11.html
 シュメル-人類最古の文明:『小林登志子』中公新書 http://bloghistorygallary.blog10.fc2.com/category9-20.html http://blogs.yahoo.co.jp/matmkanehara/folder/1602066.html
 「古代オリエントの地名一覧」 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8F%A4%E4%BB%A3%E3%82%AA%E3%83%AA%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%83%88%E3%81%AE%E5%9C%B0%E5%90%8D%E4%B8%80%E8%A6%A7#.E3.82.A4.E3.83.A9.E3.83.B3.E9.AB.98.E5.8E.9F
 「古代オリエントの用語一覧」 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8F%A4%E4%BB%A3%E3%82%AA%E3%83%AA%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%83%88%E3%81%AE%E7%94%A8%E8%AA%9E%E4%B8%80%E8%A6%A7
 「メソポタミア神話」 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A1%E3%82%BD%E3%83%9D%E3%82%BF%E3%83%9F%E3%82%A2%E7%A5%9E%E8%A9%B1
 「バビロニア神話」  http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%90%E3%83%93%E3%83%AD%E3%83%8B%E3%82%A2%E7%A5%9E%E8%A9%B1
 「ギリシア神話」  http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AE%E3%83%AA%E3%82%B7%E3%82%A2%E7%A5%9E%E8%A9%B1
 「オリエント学」  http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AA%E3%83%AA%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%83%88%E5%AD%A6
 「アッシリア学」  http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%83%E3%82%B7%E3%83%AA%E3%82%A2%E5%AD%A6
 「中国学」  http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%AD%E5%9B%BD%E5%AD%A6
 「ギルガメシュ叙事詩」  http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AE%E3%83%AB%E3%82%AC%E3%83%A1%E3%82%B7%E3%83%A5%E5%8F%99%E4%BA%8B%E8%A9%A9  http://www.aurora.dti.ne.jp/~eggs/gil.htm
 「フェニキア」  http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A7%E3%83%8B%E3%82%AD%E3%82%A2%E4%BA%BA
 「古代エジプト」  http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8F%A4%E4%BB%A3%E3%82%A8%E3%82%B8%E3%83%97%E3%83%88
 「ヒッタイト」  http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%92%E3%83%83%E3%82%BF%E3%82%A4%E3%83%88
 「アナトリア半島」  http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%8A%E3%83%88%E3%83%AA%E3%82%A2%E5%8D%8A%E5%B3%B6
 「新潮社」五〇〇〇年前の日常―シュメル人たちの物語―  http://www.shinchosha.co.jp/books/html/603574.html

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