2015年7月14日火曜日

御名方神と御柱(4)水戸神②

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 創世紀―牛角と祝祭・その民族系譜―

 執筆時期:1999~2000年

 牛角と祝祭・その民族系譜:941~943頁

 第14章 牛頭と鹿頭

 御名方神と御柱(4)水戸神②

  この水戸神が祀られているのが長野県の水内郡にある。

 「水内」は和名類聚抄の流布本に「美之知」の訓を付して、

 延喜式神名帳にも「ミノチ」訓じており、 minoti の音写である。

 というのも

 前出の神名帳に載る伊豆毛神社の神名に数説あることを紹介し、

 その中で出雲建子命がその本来の祭神の可能性が高いと述べておいたが、

 「水内」名の解釈から判断したものである。

 「建子」は「建家」ないし「建戸」で「建子屋」は大工を意味し、

 出雲建子命とは建御名方神の別称、水戸かみでもある。

 『日本書紀』持統天皇5年8月23日条

 「辛酉、遣㈡使者㈠祭竜田風神、信濃須波水内等神㈠」とある

 「水内等神」は「ミナト神」で諏訪大社の建御名方神のことであり、

 「水内などの神」の解釈は当たらない。

 神名帳の水内郡の南方の更級郡記載の「當信神社」があるが、

 訓を付してうない。

 国史大系は「多岐志奈」を参考としている。

 同社は現在上水内郡信濃新町信級に鎮座し、 

 大年神と建御名方神を祭神としている。

 その近くを流れる川も「たぎしな川」と呼ばれているが、

 同名は「多芸志」を移入したものと考えられ、

 出雲からの遷宮とみられる。

  諏訪大社の神系洩矢神の系譜にも

 不思議なことに建設業者の信仰が寄せられている。

 洩矢神の御子神は守田神というが、守宅神とも表記され、

 水内郡には延喜式神名帳にも記載された

 守田神社(長野市長沼)が鎮座する。

 またその御子神である千鹿頭神の系譜に連なる千勝神社のうち

 茨城県下妻市堀篭の千勝神社(祭神猿田彦命)は

 昭和の時代ではあるが東京深川の建設業者の信仰を受け、

 同社系は偏在も関東の建設業者から尊崇されている。

  建御名方神の祖像は縄文時代に始まる柱建て信仰を継承した

 「木霊」に対する信仰でもあろう。

 「動かざるもの」は木の最も特徴的な性格である。

 鳥取県気高郡気高町の、出雲国引き神話と同じ名を持つ

 八束水(やつかみ)地区に鎮座する姫路神社の境内摂社には

 「水戸神、樹木大明神」が坐る。
 
 石川県加賀市三木町の御木神社(現祭神大御食津神)、

 富山県婦負郡婦中町田屋の杉原神社(祭神木祖神)は

 その木霊に対する信仰の社であろう。

 速秋津比古命を祀る神社が

 石川県鹿島郡鳥屋町瀬戸の瀬戸比古神社である。

 同社も延喜式神名帳能登国羽咋郡に記載されている。

《参考》

 ARPACHIYAH 1976

 高床式神殿、牛頭、空白の布幕、幕と婦人、マルタ十字紋等
 (アルパチア遺跡出土の碗形土器に描かれている) 
 

 牛頭を象った神社建築の棟飾部

 本生図と踊子像のある石柱

 Tell Arpachiyah (Iraq)
 Tell Arpachiyah (Iraq)  
 ハラフ期の土器について
 ハブール川
 ハブール川(ハブル川、カブル川、Khabur、Habor
、Habur、Chabur、アラム語:ܚܒܘܪ, クルド語:Çemê Xabûr, アラビア語:نهر الخابور Bahr al-Chabur
 ARPACHIYAH 1976
 高床式神殿
 牛頭を象った神社建築の棟飾部
 神社のルーツ
 鳥居のルーツ

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