『出典』言語復原史学会・加治木義博:大学院講義録20:23頁
《名乗りの書き替えが生む『古事記』不信》
これで倭の五王時代も、
倭=優婆畏=女性仏教徒で、それが連邦の代名詞になっている国。
『倭国』とは、
やはり卑弥呼時代以来の「女王国家」だったことが、はっきり証明された。
以上で『記・紀』は、名乗りの「読み損ない」で、
何がなんだかわからなくなっているが、
それを解決すれば、すっきりした史実が復元できることもまたわかった。
ところが見逃してはいけない重要な問題がある。
それは同じ五王なのに、ハセとナガタニ双方の名乗りが、
皇后の名として使われている点である。
これは天皇たちが、敵・味方入れ換わったと言うことなのか?。
そうではない、それは『記・紀』の基になった記録に、
「長谷」という漢字が使われていただけなのである。
それを書き写した複数の筆記者がいて、
それぞれナガタニとハセという異なった読み方をし、
それを自己流の当て字で表現したためだったとわかる。
すると何故?そんな書き替えが必要だったか?という新たな疑問がわく。
この答はそれは日本人にではなく、
唐の皇帝や役人に読ませることが主目的だったからだ、とわかっている。
だから、そこで読み方をミスった。
あるいはわざと読み替えたということになる。
なぜなら、特に『古事記』のものは万葉式にカナ化してあるが、
それは真実とはできるだけ引き離した、
「意図的な書き方」になっている。
『古事記』は全面的に信頼してはいけないのである。
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