2011年3月28日月曜日

我が国の四神とは全然ちがう古代中国の方角意識

『出典』言語復原史学会・加治木義博:大学院講義録17:3頁

戦前は元旦に「四方拝」を行なう習慣が普及していたが、

その四方の神の正体は、

<青竜>・<白虎>・<朱雀>・<玄武>という「四神」である。

在来の学者は、その「四神は中国の文化を輸入したものだ」と、

さも権威ありげに教えてきた。

だが中国には我が国の<神道>はない。

近いものは<神仙>を崇拝した<道教>だけだ。

その道教の「四神」も隋唐以後になると我が国のものと同じになるが、

それ以前の方角思想は、我が国のものとは根本的に違っていた。

その証拠は、

漢の建国史で最も有名な一場面である

<項羽>と<劉邦>の「鴻門の会」に出てくる。

常勝将軍の<項羽>はづかづかと席に入ってくるなり、

西の椅子にどっかと座る。

<劉邦>は南の席に案内された。

これは何を意味したか?。

西の席は東に向き日の出の方角を見る最も縁起の良い最高の席である。

これは南面する北の席も同じく明るい太陽に対面する意味があったので、

天皇は南面し、

最下位の武臣は北面して座るので

『北面の武士』という特殊な呼び名も生まれたが、

これは後世の我が国でのこと、

中国では西が最高の地位を意味していたのだ。

だから<劉邦>は臣下の座る席に座らされた。

それも暗く寒々とした北を正面に見る最低の席、だったのである。

この極端な差別が<項羽>の四面楚歌=悲惨な最期を招いた。

古代の中国人はこんなに「方角に強い差別意識をもっていた」。

これが中国本来の<方位信仰>なのである。

『参考』

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小林登志子『シュメル-人類最古の文明』:中公新書
『メソポタミア世界』
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