2016年4月13日水曜日

《木曽の御嶽山と水無神社》➀

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 創世紀―牛角と祝祭・その民族系譜―

 著述者:歴史学講座「創世」 小嶋 秋彦

 執筆時期:1999~2000年

 牛角と祝祭・その民族系譜:~頁

 第16章 ヘブライ人の日本定着とヘブライ(イブリ)の信仰

 《木曽の御嶽山と水無神社》

  前節「伊豆と浜名」において熱海市の伊豆山の

 後背に岩戸山があることを紹介したが、
 
 その「岩戸」を信仰の対象としているのが

 長野県木曽郡の岐阜県境に位置する御嶽山の

 御嶽神社である。

 御嶽神社の神職(祠官)滝氏が所蔵する

 「神社留記」に

 「御嶽座五権現一社、往古八岩戸権現共奉申候」とあり、

 また

 「岩戸五社末社再興之事、文明十六年建立也」とあり、

 同山の神格、御嶽神社が古い時代に「岩戸権現」と

 呼ばれていたことを明らかにしている。

 滝氏所蔵の古書のうちの

 祭文「五御嶽座五権現祭詞」(栄正四年<1507>)にも

 「五御嶽座五権現里社岩戸」などとあるという。

  前節で述べたように

 「岩戸」は「岩の水口」の意味であるが、

 同山信仰は果たして

 ヤハウェ神信仰と関係があるのだろうか。

 御嶽山の山頂(剣ヶ峰)付近には

 一ノ池から五ノ池まで

 箱根の芦ノ湖とは比べものにならない小さな池があり、

 四方へは数多くの川が流れ出し、

 水を里へ送り出していて

 確かに水の恵みを生む山であることに間違いない。

  御嶽信仰は修験者の修行の場であったり、

 権現などと仏教とも習合して来た。

 滝氏の永禄五年(1562年)の文書に

 「五御嶽座五権現大菩薩御岩戸」などとある。

 江戸時代になると各地に構社が組まれ先導に

 導かれ多くの庶民が登拝するようになった。

 御嶽神社は明治九年(1876年)に編まれた

 「王滝村誌」にもあるように「御嶽岩戸神社」

 なのであり、岩戸である「水口」「泉」ひいては

 「水神」信仰なのである。

  水神といえば、前節で紹介した

 『出エジプト記』第17章のヤハウェ神が係わってくる。

 しかし、現状において

 一般に認識されている信仰にはその影は見えない。

 だが、以下に解明するようにその最古層には確固とした

 ヤハウェ神信仰が潜在しているばかりでなく、

 イスラエル人(ガド族)の

 『出エジプト記』第17章の舞台

 シナイ(ホレブ)山のに見立てた聖地なのであり、

 彼らが日本で開発した最大の山岳聖所であった。

 御嶽神社の奥宮は王滝頂上にある。

 里宮は大滝村上島と三岳村黒沢に開基されている。

 その王滝村から奥宮へ向かっての山道を登って行くと

 八海山に到り、八海山神社に参拝することとなる。

 さらに行くと三笠山に到り三笠山神社に参拝し、

 田の原を経て七、八、九合目から

 王滝頂上剣ヶ峰の奥宮に辿り着く、

 これらが御嶽信仰の三山(岳)である。

 山岳の峰に「八海(はっかい)」とは奇妙なことである。

 その背景に何が隠されているのか解明した。

  八海は「ハッカミ」にして「ハッカム」である。

 つまり「鷲宮神社と板倉の雷電神社」などで

 取り上げた Kh(H)KhM の音写で「智恵者」である

 ヤハウェ神を祭祀しているのである。

 三笠山の「ミカサ」もヘブライ語の MKSH の音写で
 
 「隠れ場、避ける所」の字義である。

 何が隠されたりするのだろうか。

 それは「田の原」が示している。

 「タノハラ」は TNH の転訛で

 『旧約聖書』の諸書の総称であり、

 三笠山神社は聖書を密蔵するとの至聖所である。

 そして御嶽山となるが、

 明治五年までは「ミタケ」と称されていたので、

 それに従い考える。

 三岳(山)と把える

 「ミ」は熱海の「ミ」と同じく「泉」である

 MIYN とみ、「泉岳」とすることができる。

 また「御タケ」とすれば、 

  THVM(tekom 地下水、地中の深い所、深淵)の

 転訛とすることができる。

 単語の合成上の「ミータケ」は「泉-地下水」で

 「地下水の泉」の意味となる。

 村名でもあり頂上の名称でもある王滝は

 AVN-THVM(岩-地下水)で「地下水の出る岩」である。

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