『出典』言語復原史学会・加治木義博:大学院講義録10:31頁
しかし見逃してはならないことが1つある。
それはこの部分の子神とされた名乗りが全て、
下(しも)がかったものに結びつけられているからである。
終りの2つ、和久産巣日神と豊宇気(ウケ)毘売神は、
どんなものから生まれたのか書いてないが、
枠結びは下紐のことで今ならパンツだし、
御食津はそのままオケツ(=尻の関西語)である。
それは決して好意のある扱いではない。
『古事記』筆者が故意に工夫した作為が、
ひそやかに潜在しているのをみると、
これに該当する名乗りの持主は、仇敵関係にあった人たちで、
その鬱憤をこうした皮肉な扱いで晴らしたとするしかない。
こうした反抗の最大のものは、
かねがねお話ししてきた祖国名の問題である。
『日本書紀』が全て日本と書くところを、
『古事記』は全て倭と書いていることを、
両方ともヤマトと読んで何の疑問ももたない在来の史観は、
幼稚以下としか言いようがない。
それはさらに後世に淡海三船がつけた
天皇たちの漢風諡号にも見られるから、
天皇政権が巨大化して、
武力による復讐が不可能になった
時代の生んだ思想的報復の1つだと見ないと、
『古事記』執筆者の実体、執筆の目的、執筆態度、
他にもあるはずの類似記事などをさらに
発掘したり正しく把握することは出来なくなる。
こうした真実の歴史を忌み嫌って、隠蔽(いんぺい)し、
美化するのが愛国だと錯覚していた連中が、
大日本帝国を滅ぼした事実を忘れてはならない。
『参考』
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小林登志子『シュメル-人類最古の文明』:中公新書
『メソポタミア世界』
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