2015年10月9日金曜日

絹と地名分布③


 創世紀―牛角と祝祭・その民族系譜―

 著述者:歴史学講座「創世」 小嶋 秋彦

 執筆時期:1999~2000年

 牛角と祝祭・その民族系譜:386~394頁

 第16章 イスラエル人の日本定着とヘブライの信仰

 絹と地名分布③

  神名帳但馬国の気多郡に「気多神社」があり、

 現在の京都府城崎郡日高町上郷同名社である。

 「日高」は「気高」の訛で、

 橿原市城殿の旧名「喜」が「ヒ」であったことに対応する。

 上郷の「上」も蚕を表わす。

 城崎郡には神名帳に「気比神社」が載り

 豊岡市気比宮代の同名社であろうが、

 同地には現在「絹巻神社」もあり、

 絹産業との縁(ゆか)りをみせている。

  八神は、敦賀市の気比神宮の解説で述べたが、

 「八上」も「八神」と同義である。

 『古事記』の大国主命の妻請い物語の登場する

 八上比売命(やかみひめのみこと)の名になっており、

 やはり「絹虫・蚕」である。

 八上比売命は

 現在鳥取県八頭郡河原町曳田の

 八上比売命沼神社に祀られている。

 旧八上村の地である。
 
 「曳」は「匹ひき」のことで、

 布帛など反物二反を一として数える単位名である。

 同社は神名帳の因幡国八上郡に売沼(ヒメヌ)神社として載る。

 現在の郡名八頭は「八上」と「智頭」の合併したものであるが、

 「ハットウ」で大月氏の翕侯名昑頭と対応し、
 
 これも地名の先祖帰りである。

 売沼神社の呼称「ヒメヌ」は「ヒメヌノ」の意味で

 「売布(ひめふ)」の転訛と考えられる。

  売布神社名の神社が、

 神名帳丹波国熊野郡、竹野郡、但馬国気多郡に載る。

 熊野郡の場合は久美町女布権現山もある。
 
 竹野郡の場合は網野町大津女布谷の「売布神社」である。

 気高郡の「売布神社」は(現)城崎郡日高町国保に鎮座する。

 この「ヒメ」とは絹のことで木密の転訛である。

 「売布ひめふ」は「絹布」のことで、帛(はた)を意味する。

  神名帳摂津国河辺郡にも「売布神社」「高売布神社」と載る。

 前社は兵庫県宝塚市売布山手町にあり、

 池田市綾羽の伊居太神社の西方に位置する。

 後社は三田市酒井に鎮座する。

 そして摂津国東生郡に載る「比売居曽神社名神大」は
 
 〔蚕-繭〕を意味する

 kośa の音写「古佐」の地名を持つのが篠山市である。

 市内には畑宮、奥畑、畑井、畑市、幡路と「ハタ」名が多い。

 畑宮の北隣りには瀬利がある。

 これは瀬理と同じで「石」である繭を表わす。
 
 また「八上」は八上毘売命、八神と同じく「蚕」を表わす。

 同地は京都府の亀岡市へ天引峠を越えて通じ、

 秦氏の関係した養蚕地とみられる。

 最後に姫路市であるが、

 播磨国風土記の飾磨郡「伊和里」に

 「蠶子落ちし處は、即ち日女道丘と號く」とあり、

 「日女道(ひめじ)」が「蠶子(ひめじ)」に

 依るものであると語っている。

 その丘はは現在姫路城天守閣のある姫山であるという。

 《参考》

 ARPACHIYAH 1976

 高床式神殿、牛頭、空白の布幕、幕と婦人、マルタ十字紋等
 (アルパチア遺跡出土の碗形土器に描かれている) 
  
 牛頭を象った神社建築の棟飾部

 本生図と踊子像のある石柱

 Tell Arpachiyah (Iraq)
 Tell Arpachiyah (Iraq)    
 ハラフ期の土器について
 ハブール川
 ハブール川(ハブル川、カブル川、Khabur、Habor
、Habur、Chabur、アラム語:ܚܒܘܪ, クルド語:Çemê Xabûr, アラビア語:نهر الخابور Bahr al-Chabur
 ARPACHIYAH 1976
 高床式神殿
 牛頭を象った神社建築の棟飾部
 神社のルーツ
 鳥居のルーツ

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