2015年10月21日水曜日

旧約聖書のガド族③


 創世紀―牛角と祝祭・その民族系譜―

 著述者:歴史学講座「創世」 小嶋 秋彦

 執筆時期:1999~2000年

 牛角と祝祭・その民族系譜:964~975頁

 第16章 イスラエル人の日本定着とヘブライの信仰

 《旧約聖書のガド族》

  この記述は極めて重要なので少々長いが転載した。

 その要点は、ガド族等は燔祭、素祭など犠牲を献げる。

 つまり祝祭のための祭壇を築いたのではないと言っている。

 祝祭のための祭壇はエルサレムの祭壇を

 ただ一つしか許されるものではなく、

 それをアルター ALTAR という。
 
 これに対し、ガド族等が築いたものは祝祭を行わない祭壇で、

 MZBK(mizbeykhe)という。
 
 そして、その祭壇ではヨシュアに言われたように

 「戒め」 MZB(mizbhe 戒律、祈り) と

 「律法」 TORH(tore 告示)を「慎んで行う」ためのものである。

 そして、

 ルベンの子孫、ガドの子孫及びマナセの半部族との間の

 また、それぞれの子孫の間においてもそれが証拠となるよう

 祭壇の型を同じくしないで証拠としたという。

 この証拠の意味は誓約である。

 このような説明により、

 イスラエルの人々は攻め上がるのを止めることとした。

 第23章の終わりで言う。
  
 「そして、イスラエルの人々は神々を褒めたたえ、

  ルベンの子孫、及びガドの子孫の住んでいる国を

  滅ぼすために攻め上がろうとは、もはや言わなかった。
 
  ルベンの子孫とガドの子孫は、

  その祭壇を「あかし」と名付けて言った。

  「これは、我々の間にあって、主が神にいます」

  というあかしをするものである。」(33、34)

  この「あかし」のヘブライ語は IDVT(ed) である。

 英訳本聖書が witness 証人(音が似ている)と訳しているように

 「証拠、あかし」であることに本義は間違いない。

 だが、この用語はドイツ語の Eid 、英語の oath であり、

 「宣誓、誓約」を意味し、特に「神にかける誓い」を表わす。

 「宣誓」とは大きな声で述べること、つまり「叫び」である。

 ガドの出生に当たってその名前がシュメル語の ga-du(叫ぶ)に

 係わる用語であることを説明したのは

  この事件に連なるからである。

 また ed の E は原カナアン絵文字で「叫ぶ人」であるといい、

  hô と訓んだとの説もあり、フェニキア文字、ギリシャ文字を経て

 現在の字形 E になったものである。

 「叫ぶ人」は単に大きな声を出している人のことではなく、

 シュメル語から継承された「神を讃える」 ār に係わると考える。

 ガド族の祭壇は IDVT(ed) と呼ばれる

 「宣誓、誓い」、「あかし」である。

  IDVT は民数記第9章15にも

 「あかしの幕屋」 AHL-HIDVH として用いられており、

 神とイスラエル人との間の「契約」を表わす用語でもある。

 IDVT は IDYVT(idiut) とも表記される。

 創世記第21章31の

 「彼らがそこで誓いをしたからである」とある。

 「誓い」をアメリカ聖書協会の古い版では oath としている。

  祝祭を行わないガド族の祭壇には、

 律法・トーラー・TORH を納める「神の契約の箱」のみが

 安置されることとなったのである。

 この箱は旧約聖書において

 「神の箱」「契約の箱」「あかしの箱」などと呼ばれる。

 1948年に死海の北西部のクムランから

 旧約聖書のヘブライ語版が発見され、

 死海文書(写本)として知られている。

 学問的にその発見地の名称からワディ・クムラン文書という。

 これは羊皮紙に書写されたもので巻物となっていた。

 これらの巻物の年代は

 紀元前3世紀の中葉から紀元前2世紀末以降、

 幅広くみて紀元前後2世紀に属するとされている。

 ガド族がアッシリアのシャルマネセル5世により

 メディアの周辺へ捕囚されたのは

 紀元前7世紀のことであったから、

 その間に4、5百年の隔たりがあるので確定的な推測はできないが、

 ガド族の祭壇に納められていたのは死海文書と同様

 羊皮紙に書かれた巻物の「律法」であったと思われる。

 あるいは

 クムラン文書中にもある銅版に印刻したものだったのだろうか。

  捕囚以前にはモーセ五書といわれる

 創世記、出エジプト記、レビ記、民数記、申命記や

 その他の『記・紀』も成立していたので、

 祭壇の「神の箱」には、

 これらの聖書も納められていたと推測される。

 またヨシュアが「戒めと律法」と言っているので、

 「十戒」を刻んだ石板(神がモーセに授与した石板の複製)も

 納められた可能性がある。

 旧約聖書を総称してヘブライ語では TNKh という。

 また、

 箱を意味するヘブライ語は

 KFSH、SAKTL、KISTL、ARNがある。

 祭壇を安置する所は寺院ないし神社であるが、

 ユダヤ教の場合、神との会見の場で会堂あるいは公会堂、
 
 また、教会という。

 これを BYD-KNSD と言う。

 これまで「神社」と祖語を同じくすると述べてきた

 シナゴーグはギリシャ語名である。

 《参考》

 ARPACHIYAH 1976

 高床式神殿、牛頭、空白の布幕、幕と婦人、マルタ十字紋等
 (アルパチア遺跡出土の碗形土器に描かれている) 
  
 牛頭を象った神社建築の棟飾部

 本生図と踊子像のある石柱

 Tell Arpachiyah (Iraq)
 Tell Arpachiyah (Iraq)    
 ハラフ期の土器について
 ハブール川
 ハブール川(ハブル川、カブル川、Khabur、Habor
、Habur、Chabur、アラム語:ܚܒܘܪ, クルド語:Çemê Xabûr, アラビア語:نهر الخابور Bahr al-Chabur
 ARPACHIYAH 1976
 高床式神殿
 牛頭を象った神社建築の棟飾部
 神社のルーツ
 鳥居のルーツ
コメントを投稿