『出典』言語復原史学会・加治木義博:大学院講義録10:27頁
第10は
妹速秋津比売神。
説明はいらないと思うが、その倭国の女王または后である。
この夫妻の皇子が
第11の
沫那芸(アワナギ)神で、沫那美神とペアになっている。
イサナキ・イサナミと同形だが、<伊勢の王>と女王に対して、
こちらは淡(奄美大島または種子島)か
安房(屋久島)または阿波(徳島)の王と女王だ。
第13は
頬那芸神で、これも
第14の
頬那美神とペアになっている。
頬(ホホ)は<日日>や<火火>や<穂穂>と書く
彦日日出見尊や日子穂穂手見命の<ホホ>である。
<ホホナギの命>と<ホホナミの命>とのペアは、
イザナギ・<イザナミと全く同じタイブの名乗りである。
第15と第16は
天之水分神と宮之水分神である。
これは水稲農業国の瑞穂の国(くに)政権で、
河川の管理や治水を司どっていた官名の名乗りだ。
第17と第18は
天之久比奢母智(クヒザモチ)神と国之久比奢母智神である。
この2神の次に風の神=志郡都比古神=品都別=八幡がくるから、
これは垂仁天皇夫妻である。
久は<久の国>=狗奴国。<比>=日の国。
奢(サ)=狭(サ)で屋久島と種子島。
母智は<モチ>、大汝=大国(ナ)持の持ちで持主=領主を表わす名乗りである。
これが沖縄訛りでムチになり、貴と書かれることはご存知の通りだ。
垂仁天皇がその地域の支配者として卑弥呼政権を倒し、
倭国の実質的支配者になったことはご熟知のことで、
以上の神名帳が一種の系譜であることは、
この部分で強く再確認できた。
だからこれらを、全て一人のイサナミが生んだとして平気でいた在来の
解釈は、この点でも根本的に無価値だった。
それは残りの神々を見ればさらによくわかる。
先に見た風の神のグループから、
大山津見神のグループに続く最後の8神が、
それを具体的に立証している。
『参考』
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小林登志子『シュメル-人類最古の文明』:中公新書
『メソポタミア世界』
シュメル-人類最古の文明
歴史徒然
歴史回廊
ウワイト
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